日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波腹腔鏡の試作
太田 裕彦山崎 誠行鳥居 正男高築 勝義木村 洸藤原 研司丹羽 寛文岡 博織田 敏次渡辺 五朗木村 泰三万代 恭嗣伊藤 徹二川 俊二
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1981 年 23 巻 10 号 p. 1385-1391

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抄録
体壁からの超音波検査法は腹壁脂肪層による超音波の減衰,腸管内ガス,肋骨弓による反射が人きく,膵や肝の一部の画像化が困難のことがある.一方,腹腔鏡検査のみでは当然のことながら臓器深部の情報を得ることができない.これらの問題を解決するために,われわれはオリンパス光学,アロカの協力を得て超音波腹腔鏡を試作した.装置は腹腔鏡の先端にラジアル方式に走査を行なう7.5MHzの集束型振動子を内臓した超音波腹腔鏡とジギタルスキャンコンバーターを用いた画像表示装置からなる.本機の探触子の横方向の分解能は深さ2.5cmまでは1.0~1.3mmであり,縦方向は3.0cmまで1.0mmであった.動物疾患モデル,臨床例では徴細,鮮明な断層像が得られた.本機の開発により腹部の超音波検査可能域は拡大し,腹腔鏡検査時にも有力な補助診断法となると考えられた.試作機には操作性などに若干の問題点があり,この点を改良した2号機を作成した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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