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伏見 章, 加納 俊彦, 星加 和徳, 久本 信実, 内田 純一, 石原 健二, 木原 彊
1981 年 23 巻 10 号 p.
1355-1367
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
食道アカラシアを,1974年から1979年の6年間に7例経験した.治療法としてpneumatic bagを用い,加圧は80mmHgから開始し,260mmHgの圧で強制噴門拡張療法を行なった.効果判定は,臨床症状,X線所見,内視鏡所見,食道内圧曲線により総合的に行ない,7例中4例に著明な改善を,7例中3例に良好な改善を認めた.とくに拡張術終了後にbagに血液の付着がみられた例は,著明な改善を示した.また,guide wire方式を用いると食道の屈曲が強い例にもpneumatic dilatorは使用出来,これまで効果が少ないとされているS状型のアカラシアに対しても,軽度の例には十分な効果が期待できた.アカラシアの治療に関しては,最初に強制噴門拡張療法を行なうのが良いと判断した.
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鈴木 荘太郎, 柴田 晴通, 牧野 孝史, 菊地 一博, 瀬上 一誠, 野見山 哲, 三輪 正彦, 原沢 茂, 谷 礼夫, 三輪 剛
1981 年 23 巻 10 号 p.
1368-1376_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Nd-YAGレーザーの消化管粘膜におよぼす影響について,犬を用い胃粘膜下血流の変動による組織損傷の深さの程度について検討した.レーザー光としてM.M.B.社製Medilas Nd-YAGレーザーを使用し,ガス噴射付導光ファイバーを接続して,出力30,50,80Wの三段階で照射を行った.犬胃粘膜下血流の測定は水素ガスクリアランス法に従った. 成績:犬胃粘膜下血流値は40ml/min./100g以下の低値と70ml/min./100g以上の高値まで個体差があった.胃粘膜下血流が低値であるほどYAGレーザー照射による組織障害の深達性が著しく,出力に比例して深さを増していた.histimine負荷により,胃粘膜下血流が増すと,その増加率が高いほどレーザーの組織損傷は浅くより限局性であった.即ち,Nd-YAGレーザーの胃壁に与える影響は胃粘膜下血流の増減により左右されていると考えられた.この事実は,臨床的にYAGレーザーを照射する場合の安全性に重要な要素を示しているものであり,殊に消化管壁の穿孔に関してレーザー照射部位の組織血流が防護作用(cooling effet)をはたしていることを示唆していると考えられた.
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原田 一道, 水島 和雄, 柴田 好, 北守 茂, 北川 隆, 相馬 光宏, 梶 厳, 並木 正義, 葛西 真一, 水戸 廸郎
1981 年 23 巻 10 号 p.
1377-1384_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
YAGレーザーの消化管粘膜に及ぼす影響をイヌの食道,胃,十二指腸,大腸について光顕学的,走査電顕学的に検討した.穿孔の危険性は食道,十二指腸に高く,次いで大腸,胃の順であった.食道粘膜は他の消化管粘膜と違い,粘膜面の変化は少いのに,筋層の変化は強く,穿孔の危険性の大なる点注意を要する.このレーザーに対する反応の違いは,食道粘膜が扁平上皮であり,色調が白色に近いためと思われる.これらの実験結果を踏まえてレーザー内視鏡の臨床応用への拡大として,下部消化管疾患に対するレーザー治療の試みを行ってみた.内訳は,大腸ポリープ8例,大腸早期癌2例であり,全例隆起性病変は消失し,術後の潰瘍も約3週間前後で瘢痕化し安全に,目的を達することができた.大腸早期癌の2例は,照射後の生検で癌細胞は陰性であり.1年4ヵ月経過した現在,再発をみていない.レーザー内視鏡は,上部消化管疾患のみならず,下部消化管疾患に対しても安全で有効な治療法の一つと考えられる.
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太田 裕彦, 山崎 誠行, 鳥居 正男, 高築 勝義, 木村 洸, 藤原 研司, 丹羽 寛文, 岡 博, 織田 敏次, 渡辺 五朗, 木村 ...
1981 年 23 巻 10 号 p.
1385-1391
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
体壁からの超音波検査法は腹壁脂肪層による超音波の減衰,腸管内ガス,肋骨弓による反射が人きく,膵や肝の一部の画像化が困難のことがある.一方,腹腔鏡検査のみでは当然のことながら臓器深部の情報を得ることができない.これらの問題を解決するために,われわれはオリンパス光学,アロカの協力を得て超音波腹腔鏡を試作した.装置は腹腔鏡の先端にラジアル方式に走査を行なう7.5MHzの集束型振動子を内臓した超音波腹腔鏡とジギタルスキャンコンバーターを用いた画像表示装置からなる.本機の探触子の横方向の分解能は深さ2.5cmまでは1.0~1.3mmであり,縦方向は3.0cmまで1.0mmであった.動物疾患モデル,臨床例では徴細,鮮明な断層像が得られた.本機の開発により腹部の超音波検査可能域は拡大し,腹腔鏡検査時にも有力な補助診断法となると考えられた.試作機には操作性などに若干の問題点があり,この点を改良した2号機を作成した.
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多田 正大, 西村 伸治, 陶山 芳一, 西脇 和善, 清水 忠雄, 藤井 浩, 三好 正人, 西谷 定一, 鹿嶽 研, 下野 道広, 須藤 ...
1981 年 23 巻 10 号 p.
1392-1397_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Crohn病を早期に診断するための糸口の一つは,その初期像の解明にある.しかしその初期像は主病巣の辺縁にみられる小病変や再発時の炎症像より推定されているにすぎない.そこで自験例6例の手術の再発所見の検討を行った.根治術のなされた6例中,4例に再発がみられたが,いずれも吻合部におこり,単発性ないし多発性の不整形潰瘍を生じたが,これらの炎症像は初回手術時のような縦走潰瘍の形態ではなかった.このうち2例はその後に上行性に小腸,および下行性に大腸にskip lesionを生じたが,これらの炎症像は初回手術時と同様の縦走潰瘍を主体とする病像であった.吻合部の再発像とskip lesionとして再発する炎症像に差がみられたことは,本症の再発の機序を考えるうえに興味深いことであることを強調した.
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大舘 俊二, 林 伸行, 森瀬 公友, 西川 久和, 加藤 肇, 加藤 義昭, 水野 直樹, 桑原 敏真, 石井 正大
1981 年 23 巻 10 号 p.
1398-1403
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
double pylorusは,胃内視鏡,胃X線検査の進歩に伴い,近年報告例が増加してきている.著者らは,幽門前部潰瘍から発生したと考えられる76歳の男性の症例を経験した.内視鏡的に十二指腸球部の陥凹部分よりcanulationし,胃幽門前部潰瘍内よりcanuleの先端が見出だされることによりdouble pylorusと診断した.高齢であり,全身状態も良好であったので,保存的治療を行った.5ヵ月後の内視鏡検査で,潰瘍は瘢痕となり,fistulaも消失していた.後天的と考えられる本症例では,保存的治療が有効と思われた.欧米での報告例及び,本邦での8例の検討と,若干の文献的考察を加えた.
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FERNANDO CORDEIRO, GUILHERME ROBALINHO CAVALCANTI, EDMUNDO FERRAZ, PAU ...
1981 年 23 巻 10 号 p.
1404-1407_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
The authors present 5 cases of double pyloric channel diagnosed in the Digestive Endoscopy Unit of the Real Hospital Portugues de Pernambuco, Brazil, out of 8, 000 examinations carried out from September 1973 to July 1980. Two etiopathogenic possibilities are discussed and the authors conclude that, in the light of the clinical and endoscopic findings, all their cases seem to be of acquired origin. In conclusion, they suggest that the terms “double pylorus”and “antrobulbar fistula” are the most appropriate designations for, respectively, the congenital cases and the acquired ones.
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遠藤 高夫, 矢花 剛, 谷内 昭, 小池 容史, 和賀 豊, 渡辺 邦彦, 三浦 悟, 佐藤 富士夫
1981 年 23 巻 10 号 p.
1408-1414_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例70歳,男.上部消化管バリウム検査で十二指腸球部の陰影欠損を指摘され,入院の上内視鏡検査を施行,十二指腸球部大彎にカリフラワー状の外観を呈した山田・福富分類上IV 型のポリープが確認された.生検では分化型腺癌と診断された. 手術によってポリープは剔出されたが,その大部分は乳頭状腺腫で占められ,その一部分2箇所に粘膜層(m)に限局した高分化型乳頭状腺癌が確認された. 本症例は本邦12例目に相当する早期十二指腸癌であるがadenoma-cancer sequence(cancer in adenoma)を示唆すべき極めて貴重な症例であると考えられる.さらに今回集計し得た早期十二指腸癌の特徴について,2,3の考察を加えた.
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平川 弘泰, 友田 純, 伊藤 俊雄, 戸部 和夫, 三谷 健, 坂田 達朗, 島田 宜浩, 長島 秀夫, 野間 啓輔
1981 年 23 巻 10 号 p.
1415-1423
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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免疫異常を伴なう肝硬変に合併した十二指腸静脈瘤の一例を経験した.症例は69歳の女性で,以前より時に左側腹部痛をきたしていた.全身倦怠感にて来院し,肝機能検査では肝硬変であった.上部消化管X線検査にて十二指腸下行脚下部に陰影欠損を認め入院した.十二指腸内視鏡検査では同部に表面平滑でやや青色を帯びた粘膜下腫瘤を思わせる数個の隆起性病変を認め十二指腸静脈瘤を疑がった.経皮経肝的門脈造影にて下膵十二指腸静脈が太く拡張し,遠肝性副血行路となり上部消化管X線検査時の陰影欠損部と同部位で数珠状の静脈瘤を形成し,下大静脈に流入するのを確かめ十二指腸静脈瘤と診断した.腹腔鏡検査所見では大結節肝で,組織学的には活動性の強い肝硬変であった.上膵十二指腸静脈から遠肝性に十二指腸静脈瘤を形成している症例はいくつかの報告があるが,下膵十二指腸静脈から発生した十二指腸静脈瘤を確認したのは本例が第2例目である.
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木村 忠史, 築山 順一, 正宗 研, 岩越 一彦, 大柴 三郎, 渡部 重則
1981 年 23 巻 10 号 p.
1424-1430_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
今日intestinal Behcet病に対する内科的治療として最も頻繁に用いられているのはsteroid剤である.しかし,steroid剤を長期にわたり使用する場合,steroid剤離脱の困難性,reboundの発現や,糖尿病,steroid潰瘍などの問題が起こってくる.このためsteroid剤使用の是非については,議論の多いところである.著者らは,neuro Behgetで発症し,経過観察中に腹痛,下血を伴う小腸回盲部潰瘍が発生してintestinal Behcetと診断されsteroid剤の投与により寛解した一例を経験した.著者らの症例ではsteroid剤は有効であり,3ヵ月にわたるprednisoloneの漸減療法によりX線的にも,内視鏡的にも治癒し得た.この一例を中心に若干の文献的考察を加えて報告した.
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酒井 秀朗, 吉田 行雄, 堀口 正彦, 関 秀一, 井戸 健一, 木村 健
1981 年 23 巻 10 号 p.
1431-1437_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
4年来,われわれは内視鏡的乳頭切開術を施行した患者を対象に経口的胆道鏡の開発を行なっている.そしてBalloon-Catheter法により胆道鏡を総胆管に挿入している.今回,内・外誘導管を省略し,Scope一本に纒めた新器種(FDS-CP)を開発した.FDS-CPは二段アングル方式で,第1アングルは2方向アンゲル,第2アングルは4方向アングルとなっている.われわれは,12例に試みすべて成功し,挿入率は100%である.挿入時間はBalloon-Catheterを総胆管に留置するのに5分,Balloon-Catheterのガイド下にFDS-CPを総胆管に挿入するのに5~10分で,計10~15分でFDS-CPを総胆管に挿入できる.12例のうち,1例は左肝内胆管癌の直視下生検を行ない,組織学的に高分化型腺癌と診断し,1例は総胆管結石をBasket鉗子で破壊・治療し,1例はBasket鉗子で肝内結石の除去を試みた.このFDS-CPは,胆道の直視下観察及び直視下生検が可能で・同時に胆道・肝内結石の破壊・除去などの内視鏡的治療が行なえるScopeである.
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岩越 一彦, 岡 博行, 山本 克夫, 水田 静雄, 浅田 修二, 李 法中, 正宗 研, 大柴 三郎
1981 年 23 巻 10 号 p.
1438-1444_1
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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深部小腸の観察および被験者の苦痛を少なくする目的で,細径小腸鏡(SIF-6b)を試作した.このスコープの特徴は,外径が6.1mmと細く,先端に金属性のオリーブ形のフードを取り付けた.しかし,スコープを細くするために,生検機構はついていない.挿入方法は,10mmの外径で1,000mmの長さのビニール管をslidingtubeとして利用した.SIF-6bの先端部にsliding tubeを装着し,経口的にスコープを挿入し,先端が十二指腸第2部に達した後は,sliding tubeを固定し,スコープのみをpush法にて挿入した.挿入成績は,検査総数52例中,十二指腸第2部までは2例(4%),十二指腸第3部から第4部までは10例(19%),Treitz靱帯から20cmの空腸は25例(48%),それより深部空腸は15例(29%)であった.検査中の疼痛は,軽度群は37例(71%),中等度群15例(29%)高度群はなかった.SIF-6bにより,従来の小腸fiberscopeに比較して,被検者の苦痛は少なかった.今後は機種の改良を加えpush法とsonde法との中間的なスコープの完成を検討している.
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1981 年 23 巻 10 号 p.
1447-1461
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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1981 年 23 巻 10 号 p.
1462-1481
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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1981 年 23 巻 10 号 p.
1482-1497
発行日: 1981/10/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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