日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃粘膜の萎縮型とG細胞分布に関する臨床的研究
大田 由己子
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1981 年 23 巻 12 号 p. 1704-1721

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抄録
 切除胃ならびに内視鏡的生検材料を用いて酵素抗体法間接法によりG細胞を同定し,胃粘膜G細胞分布を検討した. G細胞は幽門腺腺管に分布し,胃底腺,噴門腺腺管には無かった.G細胞分布パターンは腺境界の型と密接な関係があり,その密度は腺の萎縮,腸上皮化生の程度を反映していた. 内視鏡的生検材料を用いた検討では,congo-red法により判定した萎縮パターンが0―4typeを示す悪性貧血において特徴的な所見が得られた. 高gastrin血症,無酸ないし低酸を伴う悪性貧血,高度萎縮性胃炎,高位胃潰瘍において幽門洞のG細胞過形成が示唆された. 幽門洞G細胞密度は空腹時血中gastrin値とは相関がなく,食事負荷後のintegrated gastrin responseと相関関係があった.胃液酸分泌との関連ではmaximum acid outputと負の相関関係がみられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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