日本消化器内視鏡学会雑誌
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閉塞性黄疸の総合画像診断
久野 信義遠藤 登喜子春日井 達造木戸 長一郎松浦 昭栗本 組子伊藤 克昭種広 健治梅田 芳美加納 知之
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1981 年 23 巻 12 号 p. 1801-1809

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抄録
 閉塞性黄疽の疑われた45例(胆道系腫瘍11例,胆道系結石8例,膵癌18例,慢性膵炎2例,その他の肝外性黄疸3例,肝内胆汁うっ帯3例)に対するUS,CT,ERCP,PTC,RIなど各種画像診断法の診断能を検討すると共に,その診断体系にも言及した.黄疸の鑑別は何れの検査法も良好で,90%前後に可能であった.閉塞部位の診断は,ERCP,PTCがそれぞれ90%以上で優れ,CT(82.5%),US(66.7%)がそれに次いだ.原因疾患の診断は,ERCPが最も優れ(79.5%),PTC(65.2%),CT(57.5%),US(50%)がそれに次いだ.閉塞性黄疸を呈し,切除可能であった膵胆道系悪性腫瘍の診断成績は,ERCP,USが良好であった.以上の成績を踏まえ,検査法の患者に対する負担なども考慮して,閉塞性黄疸の診断手順の一つを提案すると,US,CT,(RI)→ERCP,PTC→US下穿刺細胞診など→血管撮影→手術(または内科療法)となろう.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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