抄録
われわれは,最近開発された最大倍率35倍のオリンパス社製拡大大腸鏡(CF-HM)を用い,1979年7月より1980年6月までの1年間に207症例,277回の大腸拡大内視鏡観察を行った.今回は,このうちの65症例にみられた102個の大腸限局性隆起性病変,特に腺腫を対象として分析を行った.観察された腺腫の表面微細構造は以下の5型に分類され,さらに病理組織学的所見との関連性を検討した.TypeI:類円型,TypeII:管状型,TypeIII:溝紋型,TypeIV:脳回型,TypeV:不整形型.腺管腺腫は,πおよびIII型が多く(75%),これらの混合型が21%にみられた.腺管絨毛腺腫は,すべてIV型を示した.V型は腺腫内癌にみられ,腺口(pits)は不規則,無構造化し,不整な小分葉が多数みられた.III,IV型はmalignant potentialityの高い腺腫と判断された.また,腺腫は,大きさを増すと表面の分葉数が増すという関係があることを確かめた.以上から,大腸の腺腫は,その大きさと,表面微細構造より,malignant potentialityが推定できる.