日本消化器内視鏡学会雑誌
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23 巻, 4 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • ―肉眼分類と鑑別診断を中心に―
    川口 新平, 中沢 三郎
    1981 年 23 巻 4 号 p. 471-485
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃原発の早期悪性リンパ腫ならびにLymphoid Hyperplasia (LH)の形態的特徴,特に悪性リンパ腫の早期診断を追求する目的で,LH21例,悪性リンパ腫40例の肉眼所見ならびにX線,内視鏡所見にっき対比検討した.1)LHを5型,早期悪性リンパ腫を6型に対比分類した.各型については両者に幾つかの相異点がみられ,術前診断に有用であると考えられた.2)LHと早期悪性リンパ腫の初期像の共通点は多発の不整形陥凹,大小不同の表面平滑な顆粒像であり,陥凹の大きいもの,陥凹周堤が目立つものおよび肥厚が著明なものは悪性リンパ腫の可能性が高かった.3)経過観察例は両者とも初回は多発潰瘍びらんであり,その後軽快,増悪を反復した.しかし悪性リンパ腫は比較的短期間に著明な増悪を示すものが多かった.4)胃生検は両者とも診断率が低いが,悪性リンパ腫は生検回数と診断能の向上に相関を認めた.
  • ― Congo red-methylenebluetestによる成績を中心として―
    竜田 正晴, 奥田 茂, 谷口 春生
    1981 年 23 巻 4 号 p. 487-496_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    平担型早期胃癌IIbの内視鏡診断の実態を分析するとともに,当センターにて開発されたCongo red.methylene bluetestによるIIbの診断成績について検討した. 当センターでは多発胃癌症例の副病変をも含めて,これまでに92症例,103病変(典型33病変,随伴40病変,類似30病変)のIIbを経験している.随伴・類似IIb,1cm以上のIIb,単発IIbでは術前に「癌」と確診されたものが多いが,典型IIb,1cm以下のIIb,副病変としてのIIbの内視鏡診断成績は著しく不良である.内視鏡的には粘膜の退色,アレア像の異常など慎重に撮影し読影しなければ見逃されてしまう様な軽微な所見を示めすものが多く,病巣部が確実に撮影されているにもかかわらずretrospectiveにみても異常所見を指摘できないものも少なくない. われわれの開発したCongored-methylene blue testでは胃粘膜表面の微細観察,腸上皮化生の分布,体部胃炎の拡がり,酸分泌領域の観察が一回の検査で可能である.本法によりIIbの診断成績は著しく向上し,従来困難であった1cm以下の典型IIb2例を術前に診断することができた.IIbの多くは本法ではCongo red, Meth ylene blue色素がいずれも白く退色する領域として観察できた.
  • 宮本 二郎, 高瀬 靖広, 福富 久之, 岩崎 洋治, 崎田 隆夫
    1981 年 23 巻 4 号 p. 497-502
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤を有する患者は,静脈瘤だけでなくしばしば合併するといわれる胃炎,胃潰瘍よりの出血の危険にさらされている.今回はこうした病態を考える上で重要と思われる胃血行動態について検討した.測定方法はわれわれの考按した内視鏡的水素クリアランス式血流測定法を用い,測定部位は胃体上部後壁側大彎を選んだ.対象は正常コントロール23例,食道静脈瘤患者33例(肝硬変26例,ヘバトーマ5例,特発性門脈圧亢進症2例)で以下の結論を得た.(1)胃体上部血流量は,正常者群で62.4±13.5ml/min/100g,食道静脈瘤患者群で89.4±28.9ml/min/100gと有意(p<0.001)に後者の方が多かった.(2)これは年齢別に比較検討しても食道静脈瘤患者の方が胃体上部血流量はコントロール群より多い態度が示された.(3)静脈瘤患者の中でも胃体部に発赤がないものとあるものとでは,発赤を有する症例の方が体上部血流量は多かった.
  • 宮崎 誠司, 河原 清博, 渡辺 精四郎, 平田 牧三, 飯田 洋三, 岡崎 幸紀, 沖田 極, 竹本 忠良
    1981 年 23 巻 4 号 p. 503-513
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    食道癌のルゴール不染性と組織グリコーゲンとの関連を知る目的で,食道癌20症例の生検材料を用い,PAS染色,アンスロン法による組織グリコーゲン定量,電顕像によるグリコーゲン顆粒の量および局在の観察を,健常食道上皮と対比した. 食道癌(m±S.E.:0.28±0.049/tissue100g)では,健常食道上皮(m±S.E.:1.35±0.129/tissue100g)より低値を示し,両者の間に1%以下の危険率で有意差を認めた.癌の組織型,分化度の違いによるグリコーゲン値の検討では,統計的に有意差は認められなかった.食道癌のPAS染色態度はすべての症例で低染色性を示し,光顕的に有意な差はなかった.食道癌6症例の電顕像では,すべての健常食道上皮の細胞質内には多量のグリコーゲンが存在したが,癌細胞内には少なく,有意な差が認められた.また,6例中2例(33%)では,健常食道上皮の細胞間隙にも少量のグリコーゲン顆粒を認めた. 以上,著者らは,食道癌の組織グリコーゲン量が低値であることを生化学的に証明し,食道ルゴール法の有用性を明らかにした.
  • ―とくに3H-glucoseと35SO4オートラジオグラフ所見について―
    上地 六男, 富松 昌彦, 三輪 洋子, 松野 堅, 前田 淳, 赤上 晃, 山下 克子, 横山 泉, 市岡 四象, 丸山 正隆, 竹本 忠 ...
    1981 年 23 巻 4 号 p. 514-520_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    十二指腸潰瘍の治癒過程におけるmucus barrier形成にっいて検討し,以下の結論をえた. 1.Alucianblue-PAS染色による組織化学的検討では潰瘍辺縁を中心に活動期後半ですでに不規則ながらPAS染色陽性反応を示し,治癒期で両染色反応ともピークを示した. 2.3H-glucose及び35SO4autoradiograph所見をみると,活動期の潰瘍辺縁の円柱上皮細胞や再生と思われる上皮層及び表層粘液層を中心に取り込みが観察され,治癒期ではそれらの細胞群は全般的に最も強い取り込みが観察された. 3.以上の所見より従来報告されている時期よりかなり早期,すなわち活動期後半から治癒期のごく初期にすでに粘液分泌を中心とするmucus barrierの形成が開始されているものと考えられ,胃潰瘍同様,十二指腸潰瘍においても潰瘍治癒機転におけるmucus barrierの重要性が示唆された.
  • 相部 剛, 富士 匡, 天野 秀雄, 川嶋 正男, 永冨 裕二, 播磨 一雄, 東 光生, 前谷 昇, 有山 重美, 河村 奨, 竹本 忠良
    1981 年 23 巻 4 号 p. 521-528_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    吉本の開発した膵実質造影法を施行した症例および通常のERCP症例において膵実質を描出できた91症例を対象として検討をおこなった.91症例のうち,30症例に膵疾患を認めたが,膵癌と他の膵疾患の鑑別において膵実質像単独では困難をきたす症例を多く経験した.また,膵実質像と膵癌摘出標本の病理組織像との対比検討より.膵実質像の描出態度だけでは膵癌の存在および浸潤範囲を確定できないことがわかった.膵実質造影法を施行した症例の検査前後の血清アミラーゼ変化をみたとき,膵疾患の有無を確認したうえで膵実質造影法を施行したほうが良いと考えられた.なお,膵疾患の鑑別においては分枝膵管像の読影が重要であり,今後のERCPにおいて分枝膵管像の高率かつ鮮明な描出が必要であることを指摘した.
  • 神谷 利明, 宗像 良雄, 朝倉 均, 三浦 総一郎, 森下 鉄夫, 土屋 雅春
    1981 年 23 巻 4 号 p. 529-539
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    経過観察できた胃腺腫71症例,82病巣中,最終的にポリペクトミーまたは外科的切除により確認された31病巣につき,癌化群9病巣,癌化はみられないが異型度の組織学的変化群12病巣および組織学的不変群10病巣の3群に分類し,表層部(異型腺管部)と深部(非異型腺管部)の生理的および病的核分裂を計測算定した.さらに,Paneth細胞,goblet細胞,brushborderの分布検討を行い,次の成績を得た. 1)癌化群で初回検査時におけるGroup IIIの表層部の生理的核分裂は平均6.4cells/mm2で,後にGroup IVに変化した時には平均26.5cells/mm2,最終生検,ポリペクトミーまたは外科的切除標本でGroupVの時には39.4cells/mm2と異型度が進行するにつれ,核分裂の増加傾向を示した.しかし深部では表層部の如き著明な差はみられなかった.この組織学的変化におけるPaneth細胞,goblet細胞,brush borderの分布をみると,逆に異型度が強くなるにつれ,減少または消失を認めた. 2)組織学的に異型度の変化した病巣でも同様な成績が得られたが,組織学的不変群では初回時10病巣の表層部平均核分裂数は4.4cells/mm2に対して,最終的には5.1cells/mm2と有意差はみられなかった. 3)癌化群の表層部の病的核分裂像はGroupIIIでは9病巣中2病巣(22.2%)に平均0.8cells/mm2,GroupIVでは平均3.1cells/mm2で2病巣,GroupVでは平均5.6cells/mm2で全病巣にみられた. 4)組織の異型度別(GroupI~V)の表層部における生理的および病的核分裂数,Paneth細胞,goblet細胞,brush borderの算定分布からみると,GroupI,IIは近似した成績を呈する組織群であるが,GroupIIIは前者と異なった組織群であり,さらにGroup IVはGroup IIIよりもむしろGroup Vに類似した成績を呈する組織群であることが示唆された.
  • ―特に腺腫を中心として―
    五十嵐 正広, 大井田 正人, 中 英男, 佐々木 憲一, 奥平 雅彦, 高田 好彦, 勝又 伴栄, 岡部 治弥, 高橋 俊毅, 比企 能樹
    1981 年 23 巻 4 号 p. 540-550_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは,最近開発された最大倍率35倍のオリンパス社製拡大大腸鏡(CF-HM)を用い,1979年7月より1980年6月までの1年間に207症例,277回の大腸拡大内視鏡観察を行った.今回は,このうちの65症例にみられた102個の大腸限局性隆起性病変,特に腺腫を対象として分析を行った.観察された腺腫の表面微細構造は以下の5型に分類され,さらに病理組織学的所見との関連性を検討した.TypeI:類円型,TypeII:管状型,TypeIII:溝紋型,TypeIV:脳回型,TypeV:不整形型.腺管腺腫は,πおよびIII型が多く(75%),これらの混合型が21%にみられた.腺管絨毛腺腫は,すべてIV型を示した.V型は腺腫内癌にみられ,腺口(pits)は不規則,無構造化し,不整な小分葉が多数みられた.III,IV型はmalignant potentialityの高い腺腫と判断された.また,腺腫は,大きさを増すと表面の分葉数が増すという関係があることを確かめた.以上から,大腸の腺腫は,その大きさと,表面微細構造より,malignant potentialityが推定できる.
  • ―腹痛と内圧曲線の関連―
    藤田 潔, 河野 裕, 渡辺 正俊, 小田原 満, 内田 善仁, 藤川 佳範, 針間 喬, 野村 幸治, 竹本 忠良
    1981 年 23 巻 4 号 p. 553-559
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    現代社会の近代化,複雑化にともなって,過敏性大腸症候群も増加する傾向にある. われわれは,すでに報告した大腸内視鏡を用いた複数部位同時内圧測定法によって,内圧の面から本疾患の病態解明を目ざしているが,今回は過敏性大腸症候群の主症状の一つである腹痛と内圧曲線とくに運動量と波型の面から検討を行なった. その結果,病型や他の症状に関係なく,疼痛部に一致してmotility index (M.I.)は上昇しており,波型も速波(6cycle前後)をみた. また,M.I.や波型は測定箇所により同一例でもかなり差があり,できるだけ多くの観察点でみる必要のあることがわかった.
  • 前谷 昇, 富士 匡, 飯田 洋三, 清水 道彦, 有山 重美, 東 光生, 播磨 一雄, 永富 裕二, 川嶋 正男, 相部 剛, 天野 秀 ...
    1981 年 23 巻 4 号 p. 560-567
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    細径panendoscopeを用い,球部内反転観察とメチレンブルー染色法を併用し,100例について胃・十二指腸粘膜境界の検討を行った.粘膜境界は境界がほぼ幽門輪上にあるType Iと,境界が十二指腸側にあって境界の胃側にメチレンブルー淡染部位を有するType IIaと淡染部位を有しないType IIbに分類し,その頻度は各々18.0%,24.0%,58.0%であった.粘膜境界は胃の萎縮が軽度な例では,Type IIbが41例(83.7%)と多かったが,胃の萎縮が進むにつれType IIaからさらにType Iが増加する傾向にあった.前庭部腸上皮化生のない例の粘膜境界はType IIbが18例(75.0%)と多く,腸上皮化生の著明な例ではType Iが10例(50.0%)と多かった.十二指腸球部潰瘍18例22病変について検討したところ,20病変(91.0%)で病変と粘膜境界との距離10mm以内にあり,全例の平均距離は7.3mmであった.
  • - Sjögren症候群と肝硬変合併例にみられた-
    水野 孝子, 神山 秀三, 松本 利彦, 松本 淳, 平松 新, 塩崎 安子, 鮫島 美子, 駒井 義彦
    1981 年 23 巻 4 号 p. 569-574_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Sjoren症候群(以下SjS)は全身病であり,各種膠原病,悪性リンパ腫,サルコイドージスなどを合併することはよく知られている. 本例はSjSにIIc型早期胃癌・甲型肝硬変を合併したが,非代償性肝硬変のため手術が不能で,IIc型早期胃癌発見3年後にBorr4型の硬性癌に進展し死亡した.SjSに胃癌の合併は稀で,欧米では1973年にThom-asが第1例目を報告,本邦でも文献的検索を行った限りにおいて自験例を含めて2例にすぎない.SjSと肝硬変・胃癌の合併はこれまでに報告はなく,且つ剖検で甲状腺線維化・間質性肺炎の合併が明らかとなった症例である.
  • 折居 正之, 加藤 良平, 冨地 信和, 高山 和夫, 矢川 寛一, 吉田 博, 藤沢 義久, 工藤 俊雄, 岩田 千尋
    1981 年 23 巻 4 号 p. 575-579_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃の嚢胞性病変は稀であり,特に多発性びまん性胃粘膜下嚢腫は31例の報告を.みるにすぎない.著者らは,Ic型早期胃癌と合併した多発性びまん性胃粘膜下嚢腫の一例を経験したので報告した.症例は67歳の男性,胃集検で潰瘍を発見され,潰瘍辺縁の生検で癌と診断された.切除後の病理組織学的検索では,粘膜下層まで浸潤するIIc型早期癌と嚢胞が胃のほぼ全体,主として粘膜下層に多数みられた. 自験例を報告するとともに,本症の成因および癌との関係などについて考察した.
  • 柴田 醇, 藤原 雅親, 藤井 信, 赤木 笑入, 下野 勝俊, 小林 直弘
    1981 年 23 巻 4 号 p. 580-584
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    65歳の男で,昭和43年に行った胃X線検査で,胃角部の線状潰瘍を指摘された. 以来,昭和55年までに数回の胃X線検査を行い,線状潰瘍と嚢状変形を認めた.昭和55年の胃X線検査でも悪性所見は認めなかった. 内視鏡検査は6回行い,胃角部に線状潰瘍を認め,その小彎において潰瘍は再発を繰返した.昭和55年に行った内視鏡検査により胃角部前壁にIIc病変を認め,生検を行いグループVと診断された. 切除胃肉眼標本では,胃角部に6cm長の線状潰瘍瘢痕を認め,その前壁端に3×3.5cm大のIIc型早期癌を認めた. 組織学的には,線状潰瘍はU1-IVの瘢痕であり,前壁端のIIcはこの瘢痕上にあり,深達度mの申分化型腺管腺癌であった.このIIcと独立して後壁よりの瘢痕上に深達度mの高分化型の微小腺管腺癌を認めた.これらは,多中心性に発生したものと考えた.
  • 中沢 三郎, 鬼塚 俊夫, 種田 孝, 安座間 聡, 清水 豊, 岡田 克彦
    1981 年 23 巻 4 号 p. 585-591
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は75歳男子で食欲不振,軟便を主訴に53年4月本院に入院した.入院時四肢末梢の色素沈着,爪甲の変形がみられたが,脱毛は軽度であった.検査所見では低蛋白血症,電解質異常を認め,RISA試験は13.8%と亢進していた.消化管X線・内視鏡検査にて食道を除く全消化管にポリポーシスを認めた.大腸ポリープの生検組織像では嚢胞状に拡張した腺管と間質の浮腫,細胞浸潤がみられた.以上よりCronkhite-Canada症候群と診断しステロイド剤の投与を行なった.まもなく臨床症状が改善したため退院し,ステロイド維持量にて通院治療を行なった.約1年半後,消化管検査を行なったところ胃・大腸共著明なポリポーシスの改善が認められた.近年本症候群の報告数は増加しつつあるが,ポリポーシスの改善をみたとする報告は少ない.本症候群の病因は不明であるが,本例は消化管ポリープの成因を考える上で貴重な症例であると考えられた.
  • 栗原 陽一, 藤原 和雄, 服部 好伸, 小原 勝敏, 矢吹 孝志, 佐藤 英典, 五十嵐 勤, 粕川 禮司, 寺内 紀男, 福原 捷夫, ...
    1981 年 23 巻 4 号 p. 592-597_1
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    従来の大腸内視鏡検査で困難な場合が少なくなかった大腸の部位同定能を向上させる目的で,われわれは,新しいカメラを試作した.試作カメラは,オリンパスOM1のボディに市販の日付記録装置であるオリンパス・レコーデータバック2とオリンパスSM-3Sを装着したカメラである.この試作カメラを用いて施行した大腸内視鏡検査をRecordata-CF(以下RCF)と呼称し,大腸を中心とした内視鏡検査61例,73回にRCFを施行した.同時に施行した従来の大腸内視鏡検査をNon-RCFと呼称し,RCFとNon-RCFについて得られた成績を検討し,以下の結果を得た. (1)61例のうち,検討できた53例,1,396コマをNon-RCFにて分析したところ,1,396コマ中506コマ(36.2%)において大腸の部位同定が不能であり,この不能群のうちわけはポリープや癌や潰瘍性大腸炎などの有病変群が多かった. (2)大腸多発隆起性病変8例,48個のうち,RCFでポリープが確認できたのは,35個72.9%で,Non-RCFでは28個58.3%であった.さらに,繰作がより簡便な電卓式新試作カメラについても言及した.
  • 五味 清英, 松田 昌和, 富野 佳郎, 小橋 恵津, 川崎 博生, 伊藤 恵美子, 伊藤 和郎, 田川 博之, 佐藤 義夫, 桑山 肇, ...
    1981 年 23 巻 4 号 p. 598-604
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    今回,富士写真光機株式会社より,広角側視型の胃ファイバースコープSTM-Vが開発され,6カ月間の臨床使用において満足すべき有効性が証明されたので報告する.本機種は1,110mmという十分な有効長を有するので,必要に応じては十二指腸球部の観察,撮影が可能であった.さらに十分なアングル機構によりツイスト角も大きく,従来側視型ファイバースコープの欠点であった胃体部後壁の観察,撮影および生検が容易であった.また,本機種は105°という広角視野のため胃内のorientationも簡単で全体所見がとらえやすく,食道内も観察可能であった.スコープは電気的に絶縁されているため,診断のみならず処置用としても用途が広く,ポリペクトミー,異物除去,電気焼灼,凝固などの治療も行なえた.
  • Basil Nakib, Hani Liddawi
    1981 年 23 巻 4 号 p. 605-608
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 4 号 p. 609-610
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 4 号 p. 610-612
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 4 号 p. 612-615
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 4 号 p. 615-626
    発行日: 1981/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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