日本消化器内視鏡学会雑誌
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表層性胃炎の内視鏡的再評価
斉藤 満榊 信広竹内 憲原田 元多田 正弘後藤 一紀佐高 マリオ飯田 洋三岡崎 幸紀竹本 忠良
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1981 年 23 巻 6 号 p. 801-807_1

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抄録
表層性胃炎は,SchindlerがGastritisに報告したことに始まる. われわれは,内視鏡学的に表層性胃炎の再検討を試みているので,現段階における成績を報告する. 表層性胃炎の内視鏡学的診断において,斑状発赤,櫛状発赤が重要であり,これらの発赤は,拡大内視鏡観察にて,胃小窩は正常に保たれており,びらんと鑑別できる・ 発赤部,非発赤部の組織学的検討では,細胞浸潤には差はみられず,これに反し固有層の浮腫,血管充盈,および再生上皮の有無について若干の差を認めた. 発赤と萎縮パターンについてみると,closedtypeが大半を占め,ており,とくに櫛状発赤を前庭部に認めた症例は,C1,C2パターンのみであった. 経時的観察において,発赤の消失する症例,変化のない症例および,発赤の変化はあるも,なお存在する症例が認められた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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