日本消化器内視鏡学会雑誌
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スクリーニングとしての細径前方視鏡の撮影法の検討
水落 勝明鈴木 陽一松尾 賢二中野 実大塚 幸雄
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1982 年 24 巻 1 号 p. 59-69

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抄録
 近年,panendoscopeとしての細径前方視式ファイバースコープが開発され実用化している.今回われわれはオリンパス光学製GIF-P2を使用した上部消化管内視鏡検査で著者らが行っている一連の撮影方法,順序で食道,胃,十二指腸各部を盲点なく観察,撮影できたかを検討した.撮影にはカセット式16mmフィルム(SC-16,20枚撮り)を2本使用した.その結果,細径で強角度の4方向アングルとなり,先端彎曲部が短小化されたため上部消化管各部をくまなく,くわしく観察でき,また同部での反転逆視が容易であった.さらに撮影されたコマについて胃を切り開いたシェーマ上にその撮影部位,範囲を記入し再現性の確認も行った.細径前方視式ファイバースコープGIF-P2はpanendoscopeとしての特性を有し十分その役割を果たすと同時に,スクリーニング用としても標準用としても役立つものと考えられる.また細径になったため,被検者に対する肉体的,精神的苦痛も軽減された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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