日本消化器内視鏡学会雑誌
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超広角直視型内視鏡(GIF-Qw)のUpper GI endoscopeとしての評価
岩破 淳郎中島 正継光吉 靖夫竹林 政史安田 健治郎田中 義憲藤本 荘太郎赤坂 裕三
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1982 年 24 巻 1 号 p. 70-79

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抄録

 GIF-Qの改良型としての,超広角視野,解像力鮮明なGIF-Qwを使用して9ヵ月間1,078例について上部消化管内視鏡検査を行なった.本スコープの挿入性は細径スコープ同様に容易であり,食道より胃内控はもちろん十二指腸(球部)まで盲点なく明瞭に観察できた.胃内腔での操作性も良好でUターン,Jターンは容易であり,しかもターンを行ない噴門部を逆視しながら食道への再挿入も可能であった.十二指腸球部もほぼ盲点なく観察でき,下行脚への挿入も容易であったが,乳頭の正面視については側視型より劣っていた.超広角による像のゆがみについての検討を行なったところ,テストチャートでの平面観察に楢状収差という問題が残る.しかし円柱内観察では,より近距離から遠方にかけて観察可能となり立体感が増していた.実際使用にても従来直視式では欠点とされていた胃体中・下部後壁の正面視も可能となり,また幽門直後大彎側の観察も優れていた.生検鉗子孔は2.0mmとやや小さいが,猪撃性良好のため日常診断にはさしつかえないものと考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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