日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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全身性エリテマトーデスに合併したDouble Pylorusの1例
棟久 龍夫原田 良策手塚 博中田 恵輔倉田 明彦室 豊吉河野 健次古河 隆二楠本 征夫長瀧 重信石井 伸子小路 敏彦織部 孝史井沢 邦英土屋 凉一
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1982 年 24 巻 12 号 p. 1960-1965

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抄録
 著者らは,全身性エリテマトーデスの50歳,女性で,ステロイド服用中胃X線検査で幽門前庭部小彎側に胃潰瘍を認め,約6年後Double Pylorusを呈した症例を経験した.胃X線および内視鏡検査で,正常な幽門の小彎側に瘻孔の開口部があり,その入口部に潰瘍を認めた.手術を行ったが,pyloricbandは約7×30mmで,組織像をみると,瘻孔は胃粘膜下組織を貫通していた.この瘻孔の粘膜は再生上皮で,とくに漿膜側は十二指腸粘膜上皮に酷似していた.Double Pylorusの成因およびステロイドの影響などにつき文献的考察を行った.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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