日本消化器内視鏡学会雑誌
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核DNA量よりみた表層拡大型と深部浸潤型印環細胞胃癌
秋山 俊夫高山 裕美子宮地 一馬
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1982 年 24 巻 4 号 p. 593-597

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抄録
 表層拡大型胃癌の中の印環細胞癌は,組織学的には腺管を形成しないので未分化癌に分類されているが,組織発生的には高度に分化した癌で,胃粘膜の腺窩上皮細胞に極めて類似した癌である.それ故に深部浸潤せずに予後も良い.一方,胃壁をびまん性に浸潤してBorrmann lVあるいはlll型となる印環細胞癌がある.この両者は組織学的には区別されていない. 今回,切除胃について,この2種類の印環細胞癌の核DNA量を測定し比較した.早期胃癌のDNAヒストグラムは2C付近にピークを持つ単峰性で分布も規則正しく,正常細胞に近いパターンを示した.進行癌は早期癌と類似したパターンであったが分布は不規則で,両者は異なった癌であることが示唆された.進行癌の表層部と深部では大部分の症例で差はなく,癌細胞が発育の途中で変化したものではなく,最初から深部浸潤型として発生したものである.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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