日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃Xanthomaの背景粘膜に関する検討(第1報)
左高 真理雄飯田 洋三榊 信広小田原 満永富 裕二斉藤 満後藤 一紀竹内 一憲多田 正弘原田 元岡崎 幸紀竹本 忠良
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1982 年 24 巻 5 号 p. 739-744_1

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抄録

胃Xanthomaの発生機序をうかがうため,その背景粘膜との関係に注目し,内視鏡的コンゴーレッド法,メチレンブルー染色法および直視下生検を行ない,内視鏡学的,組織学的に胃Xanthomaの発生胃粘膜について検討した. その結果,Xanthomaは萎縮性胃炎の高度な胃に多く存在するが,萎縮性胃炎の比較的軽度と思われる胃粘膜にも少数ながら存在した.さらに,コンゴーレッド変色帯内にも75個中4個(5.4%)存在した.この4個の胃底腺領域のXanthomaを検討すると,Xanthoma上皮および周囲粘膜に組織学的にも軽度ないし中等度の萎縮性変化が認められ,胃底腺領域内といえども萎縮性胃炎を発生母地としていることも示唆された.また,Xantho-ma上皮および近接粘膜は腸上皮化生がみられないか,軽度である例が多く,Xanthomaの発生には腸上皮化生は関係しないと考えた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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