日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
小腸内視鏡で診断されたアミロイドーシスの1症例
池田 昌弘丹羽 寛文三木 一正平山 洋二木村 正儀張 景明藤野 雅之
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 24 巻 8 号 p. 1277-1282_1

詳細
抄録
10年以上にわたり慢性関節リウマチの治療をうけていた39歳男.激しい水様下痢,悪心,嘔吐のため全身衰弱をきたして入院.小腸,大腸の生検でアミロイドーシスと診断された.内視鏡的に胃前庭部粘膜の発赤を認め,十二指腸から空腸にかけ蒼白顆粒状の粗慥な粘膜に発赤を伴った結節状隆起が多数みられた.大腸内視鏡所見は潰瘍性大腸炎の寛解期に似た像であった.近年消化管の内視鏡直視下生検で診断されるアミロイドーシスの症例がふえているが,大部分は胃であり,小腸で診断された症例は本例が最初と思われる.また本例でみられた小腸の内視鏡所見は他の疾患ではみられないものであり,アミロイドーシスに特徴的な所見である可能性が示唆された.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top