日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的ポリペクトミーにより摘除しえた大腸脂肪腫の2例
太田 博郷綿引 元中野 哲北村 公男武田 功熊田 卓佐々木 智康
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1982 年 24 巻 9 号 p. 1446-1451_1

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抄録
症例1:56歳の男性が右下腹部痛を訴えて当院を受診した.注腸造影と大腸内視鏡検査で盲腸に平滑な芋虫様の亜有茎性の病変があることがわかった.粘膜下腫瘍の診断のもとに内視鏡的ポリペクトミーが施行され摘除標本は粘膜下脂肪腫であった. 症例2:74歳の女性が肛門部不快感を訴えて当院を受診した.注腸造影と大腸内視鏡検査で盲腸に平滑な黄色調を帯びた卵型の亜有茎性の病変があることがわかった.粘膜下脂肪腫の診断のもとに内視鏡的ポリペクトミーが施行され摘除標本は粘膜下脂肪腫であった. 大腸脂肪腫は本邦で100例近くの報告がある.しかし内視鏡で観察されたものは32例でありさらに内視鏡的ポリペクトミーが施行されたものは11例にすぎない.大腸脂肪腫は報告例からみると多くが亜有茎性か有茎性であるので慎重に適応を決めれば内視鏡的ポリペクトミーは本症の治療の主流となりえると思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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