日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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二房性胆嚢を呈した胆嚢癌の2例
藤田 直孝李 茂基望月 福治伊東 正一郎池田 卓豊原 時秋山崎 匡伊藤 喜和日下 隆菅原 伸之山家 泰渋木 諭沢井 高志
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1984 年 26 巻 12 号 p. 2432-2438_1

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抄録
 二房性胆嚢は胆嚢の形態異常の一つとして臨床上比較的高頻度に経験され,先天性および後天性の種々の原因が考えられている.しかし,癌によるhourglass deformityを強調する論文はわれわれの渉猟しえた範囲では見当らなかった.今回われわれは,ERCなどの胆嚢造影において胆嚢癌により二房性胆嚢の像を呈した2症例を経験し,臨床診断上示唆に富むものと考えここに報告した.2例の胆嚢造影所見から,1)ERCなどの直接胆道(嚢)造影により明瞭な胆嚢像を得ること,2)狭窄部分の多方向からの観察,撮影により同部の軸の偏位や拡がり,辺縁の性状をよく描出すること,3)圧迫法を併用していくこと,が鑑別診断のために重要と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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