抄録
大腸疾患の診断において,X線検査と内視鏡検査は必須の検査法である.われわれは,大腸X線検査を先に行い,その後に内視鏡検査を行う同日併用法を考案し,その有用性についてイヌを用いて検討した.実験:的にイヌに,a)隆起性病変,b)陥凹性病変,c)炎症性病変を作成し,これに対する診断能をみた結果,53w/v%硫酸バリウム対ガストログラフィン比が1:1の混合造影剤の使用が,最も適したものであること,またガストログラフィンの副作用もないことがわかり,これを用いたX線・内視鏡検査の同日併用法の有用性が確かめられた.と同時に,臨床的応用への可能性も示唆された.