抄録
小児の大腸内視鏡検査を行うにあたって腸管内を清浄にするための前処置法のあり方について検討した.小児を年齢によって分け,1歳未満の乳児,1~6歳の幼児,7~10歳の年少学童,11~14歳の学童別に前処置を支分けた.その結果,1歳未満,7~10歳および11~14歳の群の前処置はほぼ満足できる効果がえられたが,1~6歳の幼児では下部大腸では22%,中部大腸で9%,右半結腸で12%が前処置は不良であった.幼児は検査に対する理解力に乏しく,食餌制限や下剤の内服,浣腸等の処置を行うことが困難であるため,前処置不良例が少くなかったことと考えられたが,この年齢層の小児に対する効果的な前処置法のあり方が考案されなければならない.