日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
ERCPにおける造影剤の副作用の検討
戸松 成, 井上 健一郎, 土岐 文武, 大井 至, 小幡 裕
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 28 巻 7 号 p. 1504-1510

詳細
抄録
 ウログラフィン静注テスト(以下テスト)が陽性である20例およびテスト未施行でヨード系造影剤の静注による検査での副作用歴を有する27例(以上A群)とウログラフィン静注テストが陰性で副作用歴もない139例(B群)について,ERCP施行時の造影剤ウログラフィンによる副作用を比較検討した.「ERC」におけるウログラフィンの副作用はきわめて少なく,「ERP」における副作用の出現頻度はA群がB群よりも高い傾向にあり,「ERCP」における頻度はA群がB群より有意に高かった(p<0.01).副作用は治療を必要としない程度のものが大部分であった.また,それらの頻度は全般的に排泄性尿路造影や経静脈胆道造影における副作用の出現頻度よりも低いと思われた.なお,「ERCP」例と「ERP」例の中に尿路造影が確認された症例があり,膵管に注入されたウログラフィンが膵を介して血管に入り込み,尿路に排泄されるものと考えられた.ERCPによる下痢の発生頻度についてはA・B両群間に差があるとはいえなかった.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top