抄録
肝癌ラット7匹,原発性肝細胞癌患者22例,転移性肝癌患者8例の肝比抵抗値を測定した.肝癌ラット及びcontrolラットの間では低周波数領域(3-3KHz)において統計学的に有意差(p<0.01)を認め,特に3KHzでは肝癌ラット1.91±0.18(×103ohmcm),controlラット6.35v1.38と著明な差を認めた.臨床では3KHzの周波数において原発性肝細胞癌0.86±0.10,転移性肝癌0.66±0.12,肝硬変1.27±0.19,ヒトcontrol2.24±0.30であり,両肝癌は肝硬変,ヒトcontrolとの間に有意差(p<0.01)を,原発性肝細胞癌と転移性肝癌との間にも統計学的に有意差(p<0.01)を認めた.腹腔鏡下での肝比抵抗値による肝癌の鑑別診断能は原発性肝細胞癌76%,転移性肝癌75%であった.肝癌と肝硬変,ヒトcontrol,更に肝癌における原発性肝細胞癌と転移性肝癌の肝比抵抗値の相違は肝組織の電気特性,肝局所血流量などの影響によるものと推測される.