日本消化器内視鏡学会雑誌
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慢性肝炎,肝硬変の腹腔鏡による肝表面所見と組織学的膠原線維面積%の比較検討
河原 弘規
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1986 年 28 巻 9 号 p. 1983-1991

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抄録
肝表面の凹凸不整は,肝線維化による要素が強いと考え,肝生検によって得られた組織切片を,コンピューターによって,膠原線維成分の画像処理を行ない,膠原線維面積%を表わす事によって数量化し,組織学的所見及び腹腔鏡による肉眼的所見との関連性を検討した.1981年より1985年までに行なわれた,腹腔鏡による肝生検88例の組織切片に,アニリン青単染色を行ない,これをコンピューターにかけ,画像処理を行ない,膠原線維の面積を百分率で表わし,膠原線維面積%とした.膠原線維面積%は,慢性肝炎では,7.02±3.45%,肝硬変では,13.78±5.16%であった.また,同一症例80例について,肝表面肉眼所見を,杏林大学第3内科分類を,使って分類し,各々の膠原線維面積%を表わすとI表面平滑2.99±0.01%,IIa軽度不整6.12±2.24%,IIb中等度不整9.95±4.08%,IIc高度不整10.41±5.97%,IIIa丘状結節14.46±6.01%,IIIb半球状結節13.61±3.12%であった.肝組織内膠原線面積%は,肝表面の凹凸不整の進行に伴い増加する傾向にあり,客観的に,線維化の程度を示すのに有効であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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