抄録
症例は10歳の女児で血便を主訴に受診した.注腸バリウム検査で,上行結腸に頭部にやや凹凸のみられる山田・福富分類IV型のポリープが認められた.大腸内視鏡検査では,上行結腸にほぼ球形で表面が平滑な頭部を2つ有するいわゆる双頭性のポリープが認められた.ポリペクトミーを施行したが摘出したポリープは内視鏡所見と同じく双頭性であり,それぞれの頭部の直径は2.2×1.4cm,1.6×1.0cmであった.弾性硬で表面に発赤がみられ,割面には微小な嚢胞が点在していた.病理組織学的には嚢胞状に拡張した腺管,粘液の貯留,間質の浮腫など若年性ポリープに特徴的な所見に加え,本症例では好酸球浸潤の目立った点が注目された.本症は,本邦で190例を越す報告があるが,上行結腸に発生した例は本邦3例目と思われきわめて稀である.また摘出標本で,間質に好酸球浸潤が目だった点は本症における成因との関連性を示唆する興味深い症例と思われる.