日本消化器内視鏡学会雑誌
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全周にわたり隆起を呈した孤立性直腸潰瘍症候群の1例
佐藤 貴一田中 昌宏松橋 信行礒田 憲夫人見 規文木村 健
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1987 年 29 巻 10 号 p. 2292-2296_1

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抄録
全周性の隆起病変を呈した孤立性直腸潰瘍症候群の1例を報告する.症例;14歳,男性.主訴;肛門出血,排便時の粘液排出.直腸指診にて肛門縁より約4cmの部位に輪状に連なる弾性硬の病変を触知した.大腸内視鏡検査では,下部直腸に表面は発赤状で,微小びらんを有する全周性の隆起性病変を認め,生検組織にて粘膜固有層内に特徴的な線維化(fibromuscular obliteration)が顕著で,本症の診断が確定した.本症においては,肉眼形態上,全周性隆起を呈するものは稀であり,文献的考察を加え報告する.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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