日本消化器内視鏡学会雑誌
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治癒過程を観察し得た重症腸結核の1例
大橋 信治浅井 俊夫岡村 正造山口 初宏越知 敬善三竹 正弘
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1987 年 29 巻 3 号 p. 566-573_1

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抄録
患者は31歳男性.腹痛と発熱,下痢,6カ月間に18kgに及ぶ体重減少を主訴に来院し1984年3月7日入院した.入院時の大腸X線検査にて大小不同の不整形潰瘍をS状結腸から盲腸までほぼ全域に多数認めた.小腸X線検査でも上部から下部小腸にまで帯状狭窄部位や周囲に結節状隆起を伴う不整形潰瘍を多数認め腸結核と診断した.なお,薄壁空洞を有する肺結核を併存し喀痰から結核菌も検出された.同年3月末より抗結核療法を開始し,約2カ月後の大腸X線検査では散在性の小バリウム斑と皺襞集中像,正常なhaustraとfine network pattemの消失を認めういわゆる瘢痕帯の所見を呈したが,約1年後にはhaustraが出現し,瘢痕帯様の所見もほぼ消失した.小腸も皺襞集中を伴う狭窄部位は認めたが著明に改善していた. 以上,本例は現在では稀な重篤な腸結核症例で,かつ5回の大・小腸X線検査によりその発病から治癒に至る過程を明らかにし得た貴重な症例と考えられる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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