日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的切除を行った十二指腸脂肪腫の4例
渡 二郎男澤 伸一柴田 好黒川 洋吉田 礼竹村 清一鈴木 貴久小原 剛高井 幸裕長屋 英俊林 英樹林 朋子佐々木 隆博下川 安長岡村 毅與志並木 正義
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1988 年 30 巻 11 号 p. 2659-2667

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抄録
内視鏡的切除を行った十二指腸脂肪腫の4例につき報告した.症例は,74歳の男と64歳,68歳,75歳の女3例である.発生部位は,十二指腸球部が1例,下行脚が3例であり,発見のきっかけは腹部不定愁訴の精査で指摘されたものが多かった.これらは,X線検査で粘膜下腫瘍の所見を呈し,内視鏡検査では柔軟性に富む淡黄色の粘膜下腫瘤として観察された.2例に超音波内視鏡検査を行い,内部均一なisoechoicとhyperechoicの腫瘤としてとらえられ,CTスキャン所見ではfatty densityの腫瘤として描出された.超音波内視鏡検査とCTスキャン検査は,脂肪腫の診断に有用である.十二指腸脂肪腫に対する内視鏡的切除に関しては合併症の報告は見当たらず,処置用ファイバースコープによる2スネア方式によれば,安全かつ確実にポリペクトミーを行い得る.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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