日本消化器内視鏡学会雑誌
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難治性胃潰瘍の臨床的検討―背景因子についての分析―
英尚 良民野 均根井 仁一
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1988 年 30 巻 2 号 p. 368-374

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抄録
従来からの抗潰瘍薬であるコランチル,ウガロン,アルサルミンで治療した対照群81例と各種のH2-blockerで治療したH2-blocker群64例を対象とし,両群での治癒経過を比較検討し,H2-blocker出現後の胃潰瘍の難治化に関与する諸要因の分析を試みた.対照群での治癒遷延化には,年齢,性別,飲酒量,喫煙量および潰瘍の形,大きさ,数,部位など,従来からいわれている要因の関与が考えられたが,H2-blocker群では上記の要因の関与度は少なかった.そこで,3カ月以降に各種薬剤の投与によって治癒した治癒遷延例6例と,いかなる治療によっても治癒しなかった未治癒例7例を比較すると,両者の間に差を認めたのは病悩期間と再発回数のみであった.すなわち,いかなる治療によっても治癒しない真の難治性潰瘍の特徴は,病悩期間が10年以上で,3回以上の再発を認めることであった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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