抄録
内視鏡的処置後の大腸大量出血に対して,上部消化管出血の場合と同様に,HS-E局注療法を施行し止血し得た3例を経験した. 症例1は79歳男性で,術後吻合部狭窄に対してバルーンブジーによる拡張術施行6時間後にショックを伴う出血を呈し,症例2は51歳男性で,5mm大のIs型ポリープに対するホットバイオプシー施行後6日目に出血し,症例3は43歳女性で1腸アミロイドーシスの診断のための直腸生検施行後6日目に出血した症例であった. HS-E局注療法を施行した理由は,内視鏡処置後の出血であり,その出血部位が想像できたこと,iatrogenicな出血であり,なんとか保存的に治療したいと考えたためである. いずれの症例も合併症なく永久的止血が可能であり,HS-E局注療法は止血効果及び手技の簡便性からみて,大腸大量出血に対しても,有用な治療法の一つであると考えられた.