日本消化器内視鏡学会雑誌
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ERCPによる慢性膵炎の膵管像の検討
高田 洋孝加藤 俊幸斉藤 征史丹羽 正之小越 和栄
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1988 年 30 巻 6 号 p. 1183-1188

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抄録

慢性膵炎において膵の病的変化が主膵管,分枝,微細膵管に生じ,形態的変化がおこれば内視鏡的逆行性膵管胆道造影(以下ERCP)によりその部位,程度が推測できる。.1983年日本消化器病学会のERCPによる慢性膵炎の診断基準で確診所見,異常所見,参考所見を呈した234例について,その成因別に比較検討した.膵石形成,嚢胞形成はアルコールによるものが多かった.主膵管の不整拡張は胆石合併例に多かった.主膵管の単純拡張はアルコール性に比べて胆石合併例の方がより拡張が高度であった.以上より,アルコールによる膵障害は膵石形成や膵実質障害が主で,胆石合併例は主膵管の変化が主体であると考えた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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