日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
蛍光抗体補体法及び酵素抗体ABC法で診断し得た胃梅毒の2例
伊藤 均真玉 寿美生藤井 保治松本 偉男菅 知也岡田 豊次五月女 茂福島 範子
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 31 巻 10 号 p. 2665-2669_1

詳細
抄録

 蛍光抗体補体法及び酵素抗体ABC法で胃生検組織からTreponemapa llidumを証明した胃梅毒の2例を経験した.症例は32歳と26歳の男性で,心窩部不快感,嘔吐にて受診した.ともにTPHA1,280倍と高値で,皮膚所見よりII期梅毒と診断された.上部消化管検査で胃角部から前庭部を中心に不整形の浅い潰瘍を認め,浮腫が強く易出血性であった.胃梅毒はその形態の複雑さから画像診断のみでの確定診断は困難である.胃生検組織からのTreponema pallidumの証明は,胃梅毒診断のために不可欠であり,免疫抗体法,特に酵素抗体ABC法は診断に有用である.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top