日本消化器内視鏡学会雑誌
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高度の肝左葉萎縮を伴う肝内胆管癌の1例
関 孝一高間 俊夫伊藤 芳晴古波津 修山崎 英二白井 康博土岐 隆生畔 立子道田 健
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1989 年 31 巻 9 号 p. 2486-2490_1

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抄録
高度の肝左葉萎縮を伴う肝内胆管癌の1例を報告した.症例は68歳の女性.腹腔鏡視診下に肝外側区域は小さく薄い白色の平板状で,肝実質細胞は脱落し残されていないとみえ,肝内胆管左葉枝はろう様白色の緊満してつややかに光る嚢腫様にみえた.胆管癌の組織学的診断は壁側腹膜面の黄白色転移結節の目標鉗子生検により診断された.肝外側区域の萎縮は肝内胆管左葉枝が腫瘍性に充満,閉塞されることにより招来されたものと結論された.肝左葉萎縮,肝内胆管癌の早期診断に腹腔鏡検査が有用で黄疸出現前の病態をのべた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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