日本消化器内視鏡学会雑誌
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伝染性単核症様症候群の2例―腹腔鏡所見および生検肝組織像について―
木曽 真一柏原 赳伊藤 俊雄橋本 光司藤森 永二郎大木 篤福田 熙川上 房男多胡 基奥野 巍一
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1990 年 32 巻 12 号 p. 2923-2931

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抄録
 伝染性単核症様症候群の2例についてその腹腔鏡所見について報告する. 症例1.20歳,男性.主訴は,発熱,咽頭痛.全身のリンパ節腫脹,肝脾腫を認め異型リンパ球増多,ポールバンネル反応陽性.GOT 105IU/L, GPT 114IU/L, LDHは1,024IU/Lと増加していた. 症例2.32歳男性.主訴は発熱.頸部リンパ節腫脹,肝脾腫を認め異型リンパ球増多,GOT 103IU/L, GPT 129IU/L, LDHは1,101IU/Lと増加. 腹腔鏡所見では,2症例ともに脾腫を認め,肝は軽度腫大し表面平滑,近接で門脈域に一致する白色紋理の増強がみられ,ICG注射後白色紋理はより明瞭となった.症例1では,腸間膜リンパ節の腫大が観察された.生検肝組織標本では門脈域は軽度拡大し小円形細胞浸潤が高度にみられた.また,小葉内でも小円形細胞が類洞内に連珠状に浸潤していた.線維化はほとんど認めなかった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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