日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道静脈瘤硬化療法における表在血管網の"fine-network pattern"描出の意義
井上 晴洋中村 宏河野 辰幸村瀬 尚也五関 謹秀竹下 公矢遠藤 光夫
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1990 年 32 巻 2 号 p. 388-395_1

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抄録
 食道静脈瘤硬化療法において,従来から一般に不可能とされていた細い静脈瘤に対しても陰圧下穿刺法による血管内注入を施行したところ,食道の『半周~全周にわたる細かいnetwork状の静脈瘤の造影所見(fine-network pattern)』を得た.その場合,ほぼ1回の穿刺注入のみで食道全周にわたる細静脈瘤が1度に栓塞された.術後には細静脈瘤は潰瘍を形成することなく完全に消失し,胸痛の訴えもなく翌日より常食を摂取している.また狭窄例も認めていない.したがって"fine-network pattern"の描出は,食道静脈瘤硬化療法において血管内注入法による治療の過程のなかで,大きな流入路を栓塞したあとの粘膜および粘膜下層に残存する細静脈瘤の栓塞を意味し,潰瘍を形成することなく静脈瘤の完全消失を達成するための治療上の目標点になると考えている.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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