抄録
USならびにEUSによって尾状葉胆管枝(B1)およびB1内結石を診断できた右後区域肝内結石症の1例を経験したので報告し. 症例は上腹部痛を主訴とする44歳,男性である.電気水圧砕石装置を用いたPTCS下切石術により右後区域胆管枝内およびB1と思われる胆管枝内結石を除去後USおよびEUSを実施したところ,尾状葉内に同胆管枝が描出され,さらにほかにも結石が充満したB1が存在することが明らかとなった.この後のPTCSにより先のB1は左尾状葉胆管枝(B1l),結石充満B1は右尾状葉胆管枝(Blr)と判明した. 最近,B1内結石の診断・治療が注目されつつあるが,B1は結石充満例では十分造影されないことも多く,また造影所見のみではB1の同定は容易ではない.これに対してUS,EUSは本例の如く結石充満の影響を受けず,肝区域との関連からB1ならびにB1内結石をより直接的に診断可能であり,B1内結石の有無の新たな診断法として極めて有用と思われた.