日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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腹腔鏡下に直接鉗子生検を行ない組織学的に確診した胆のう癌の1例
渡辺 誠竹下 正弘梅川 康弘小畠 敏嗣赤木 収二日高 光宣平川 弘泰福本 四郎島田 宜浩
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1990 年 32 巻 2 号 p. 450-454_1

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抄録
 症例は食後の上腹部膨満感,腹痛および微熱を主訴とする81歳の女/生である.腹部超音波検査で胆のう壁肥厚(11mm)を伴なう胆のう結石,肝内胆管結石,軽度の肝内胆管拡張などの所見が認められ,胆のう癌が疑われたが質的診断に至らなかったため腹腔鏡検査を施行した.肝の表面は平滑で色調はまだらに緑色,さらに癌転移巣と思われる1mm以下の多数の黄色病変が観察された。胆のうは周辺組織と癒着を起こしていた.針付生検鉗子で癌侵潤が疑われた胆のう壁を直接生検,組織像は低分化型腺癌であった.肝円索にも小さな黄白色病変を認めたため,このうちの1個に鉗子生検施行,組織像は胆のう壁のものと同様であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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