日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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ISSN-L : 0387-1207
胃腺腫のmalignant potentialに関する臨床病理学的検討
日野 直紀山本 博千先 茂樹脇谷 勇夫土居 偉嵯雄矢野 慧能登原 憲司
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1990 年 32 巻 6 号 p. 1369-1376_1

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抄録
 胃腺腫83例89病巣を経験しそのうち36例38病巣を6カ月~10年経過観察し得た. 胃腺腫は高齢の男性に多くA領域に好発した.2cm以下の褪色調の扁平隆起が多かったが,2cm以上の例は約70%に同一病巣内に癌との共存を認めた.同一病巣内に癌と腺腫との共存を認めたのは6病巣でうち3病巣は腺腫内癌と思われた.経過観察中増大したのは3病巣でうち2病巣に同一病巣内に癌との共存を認めた.縮小したのは3病巣で,消失した4病巣は腸上皮化生におきかわっていた.また同一胃内の合併病変では胃癌が25.3%と最も多く,経過観察中22.2%に同一胃内に癌との併発を認めた. 以上より2cm以上また増大傾向のある胃腺腫は積極的にstrip biopsy等を施行する必要があり,2cm以下のものでも同一胃内での癌の合併を考慮して厳重な経過観察が必要であると思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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