日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
大量出血を来した十二指腸憩室の1例
田島 博之相良 勝郎清住 雄昭明石 隆吉山辺 博外村 政憲池田 恒紀
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 33 巻 1 号 p. 54-59

詳細
抄録
われわれは,最近,十二指腸憩室より大量出血を来した,極めて稀な1例を経験した.症例は,78歳男.主訴は,吐下血.昭和61年5月,吐下血があり,某病院に入院するも出血源は不明であった.昭和63年6月22日,大量のタール便排泄あり,某医入院.数回の下血があり,ショック状態となり,当センターへ転送される.内視鏡検査にて十二指腸第2部の憩室内に多量の血液が貯留し,ファーター乳頭部よりの出血は認めず,憩室からの出血が疑われた.99mTC-PYPシンチで同部にRIの取り込みがあり,引き続き行った腹部血管造影にて同部への造影剤の血管外漏出を認めたため,緊急手術を行い出血部位を確認し,止血し得た.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top