抄録
内視鏡的に虫体を摘出,治療した大腸アニサキス症の3例を報告した.症例は全例男性で,年齢は40歳,59歳,45歳であった.2例は鯖,1例はハマチを生食後,腹痛が出現し来院した.胃透視,胃内視鏡では著変を認めなかったが,ガストログラフィンによる注腸造影を施行したところ,3例とも上行結腸に広範な壁肥厚と狭窄像が認められ,引き続いて行った大腸内視鏡検査で発赤,腫脹した粘膜に虫体の穿入を認めたため生検鉗子で摘出した.虫体は全例Anisakis simplexと同定され,摘出後症状は速やかに軽快した.内視鏡的に虫体を確認し,摘出し得た報告は稀であるが,本症の診断と治療におけるガストログラフィンによる上部及び下部消化管造影と,緊急内視鏡検査の意義を強調したい.