日本消化器内視鏡学会雑誌
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回盲弁上にのみ認められたアフタ様非特異性潰瘍の2症例
箱崎 幸也白浜 龍興大庭 健一武井 一雄竹原 正信野村 勉加藤 雅士真方 良彦佐藤 亮五
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1991 年 33 巻 5 号 p. 980-983_1

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抄録

回盲弁上の潰瘍病変にはCampylobacter腸炎など種々の疾患が知られているが,今回便培養陰性で下痢,口内炎などの自覚症状なく大腸癌検診の大腸内視鏡検査(CF)で,回盲弁上のみにアフタ様非特異性潰瘍病変を有する2症例を経験した.2症例共に男性で大腸癌健診にて便潜血陽性を指摘され,CF施行.回盲弁上に数個のアフタ様潰瘍があり,便培養陰性で,ツ反応正常で下痢,口内炎等もなく,生検組織では慢性非特異性炎症像であった.サラゾピリン2.0g/day投与し,3ヵ月後のCFでは軽快を認めた.サラゾピリンが有効であり何らかの感染性腸炎や潰瘍性大腸炎(右側結腸炎)が疑われるが,現時点ではクローン病の初期やアフタ様大腸炎などとも区別すべき疾患と思われ,分類不能(unclassified)のアフタ様潰瘍と診断した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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