日本消化器内視鏡学会雑誌
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成人T細胞白血病患者における胃内視鏡所見の検討
伊東 裕幸平田 泰彦福永 充植木 祐司岡村 孝井上 孝利隅田 イク男花田 基典
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1991 年 33 巻 6 号 p. 1158-1162_1

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抄録

成人T細胞白血病(adult T cell leukemia以下ATL)において腫瘍細胞の消化管への浸潤は従来言われていたほど稀ではない.今回われわれはATL患者に胃内視鏡検査を施行し若干の知見を得たので報告する. 1984年1月より1989年12月までに当院内科でATLと診断された8例のうち7例に内視鏡検査を施行した.7例のうち5例がリンパ腫型,2例が急性型であった.リンパ腫型の3例に上部消化管へのATL細胞の浸潤を認め,うち2例では胃に潰瘍を伴う腫瘤を形成し,他の1例では胃の搬襲の腫大を認めた.またこれらの3例はATLへの化学療法にて胃病変も改善した.他の4例では非特異的病変のみでATL細胞の浸潤は認められなかった.以上のことよりATL患者では消化管の精査を行うことが重要であり,特に消化器症状,リンパ節腫脹を認めるものでは必須であると考えられた.

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