日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
超音波内視鏡下穿刺法の基礎的研究(第1報)
原田 昇神津 照雄大島 郁也一瀬 雅典有馬 美和子菱川 悦男石島 秀紀佐久間 洋一田中 元村岡 実宮崎 信一二宮 栄一郎磯野 可一
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 33 巻 8 号 p. 1657-1663

詳細
抄録
 リニア型超音波内視鏡の特性をいかし,エコーガイド下に体腔内深部組織を穿刺し,生検診断や治療への応用を図ることを目的に基礎的検討をおこなった.使用した装置は東芝町田社製電子リニア型超音波内視鏡EPE-703FL(7.5MHz)およびEPB-503FS(5MHz)である.1.超音波内視鏡下穿刺装置として,深部穿刺針(23G,有効刺入長20mm)および起立機構を試作した.2.穿刺モデルによる実験:経食道リンパ節穿刺モデルを作成し,超音波内視鏡下穿刺装置を用いエコーガイド下に経食道的にリンパ節を穿刺した.同時に吸引細胞診をおこない,十分な組織を採取しえた.3.動物実験:雑種成犬を用い,全身麻酔下に超音波内視鏡下穿刺装置を挿入,経食道的に目標臓器を穿刺し,CH44を局注した.組織学的検索にて目標臓器に穿刺したことを確認した.また,術後重篤な合併症を認めなかった. 以上より,本法は体腔内深部組織の組織診断に有用となる可能性が示唆された.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top