日本消化器内視鏡学会雑誌
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バイポーラ(双極子)ポリペクトミースネアーを用いた消化管ポリペクトミーの経験
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1991 年 33 巻 9 号 p. 2120-2127

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抄録

 新しく開発されたエベレストメディカル社製バイポーラ(双極子)ポリペクトミースネアーを用いて,消化管ポリープ53個(25症例)を切除した.その使用経験をモノポーラ(単極子)との比較を中心に報告した.バイポーラでは電流は左右のワイアー間を粘膜面に沿って流れるため,熱エネルギーは表層に限局され深部への影響はモノポーラに比べはるかに少ない.バイポーラスネアーによるポリペクトミーは1)穿孔の危険が少なく大きな広基性ポリープの切除が可能である,2)ポリープ先端部が壁に接触しても安全にポリペクトミーが可能である,3)対極板がいらない,4)ペースメーカー装着者にも安全に行いうる,5)切断端の組織の挫滅が少なく組織学的検索に有利である,などの種々の長所がみられる.耐久性にやや難があるものの理想的なポリペクトミーシステムであり,今後急速に普及するものと思われる.

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