日本消化器内視鏡学会雑誌
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早期胃悪性リンパ腫の1例
吉田 道明上平 博司川本 克久岩崎 良昭古谷 慎一福田 新一郎児玉 正山下 滋夫馬場 道夫
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1992 年 34 巻 12 号 p. 2893-2898_1

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抄録
 症例は52歳,女性.主訴は心窩部痛.胃内視鏡検査にて,胃体下部前壁大彎寄り及び後壁側に周囲隆起を伴う潰瘍性病変を認めた.両病変ともに生検では確診を得られなかったが,悪性リンパ腫を疑い胃亜全摘術を施行した.病理組織学的検索では,前壁側の病変は深達度smの悪性リンパ腫であったが,後壁側の病変にはびらんの治癒像を残すのみで腫瘍細胞を認めず,腫瘍細胞が脱落した可能性が示唆された.リンパ節転移は認めなかった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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