日本消化器内視鏡学会雑誌
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腹腔鏡下胆嚢摘出術
―大結石に対する超音波砕石装置の応用―
遠藤 正章吉原 秀一袴田 健一宮城島 堅羽田 隆吉佐々木 睦男今 充小野 慶一
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1992 年 34 巻 3 号 p. 546-554

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抄録
腹腔鏡下胆嚢摘出術では,大きな結石を有する胆嚢の体外摘出が問題となる.そこでわれわれは,超音波砕石装置を応用し,良好な成績を得たので報告した.(1)胆嚢の切離後,トロッカー刺入孔から引き出した胆嚢頸部に小切開を加え,同部から挿入したネフロスコープの観察下に超音波砕石を実施した.(2)超音波砕石装置の胆石破壊力および吸引力は強力で,純コレステロール結石も容易に破砕,吸引除去された.(3)純コレステロール結石4例(結石径25~36mm),混合石3例(最大結石径19~22mm)の計7例では,いずれも超音波砕石により皮膚切開を広げることなく胆嚢を摘出することができた.超音波砕石に要した時間は前者では18~50分(平均35分),後者では13~30分(平均21分)であった.以上のように,大結石を有する症例に対する超音波砕石は,手術侵襲および美容上の利点を損なうことなく腹腔鏡下胆嚢摘出術を実施する上で極めて有用と思われた.
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