日本消化器内視鏡学会雑誌
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下部消化管出血に対する緊急内視鏡検査の意義
重松 忠玉垣 俊幸山上 正仁倉田 博之大久保 詠子赤松 尚明加藤 一晴岡森 博史小野 紀弘
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1992 年 34 巻 5 号 p. 1027-1031

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抄録
 下血を来す大腸疾患は多岐にわたり,その出血性状も異なるため,早期の的確な診断が治療上重要である.われわれは,約3年間の緊急大腸内視鏡検査145例の検討を行った. 年齢は8歳から92歳で平均年齢50.1歳,男性は70例,女性は75例.症例は炎症性疾患は53.8%であり,悪性腫瘍及び潰瘍性病変は14.5%であった.145例中135例(93.1%)の症例で病変確認が可能であり,S状結腸までの観察にても,114例78.6%の症例で病変を確認した.大量輸血例・止血例は12例認め,部位は直腸9例,s状結腸1例と下部大腸に多く,大量下血時の緊急Rectosigmoidscopyは極めて有用と考えられた.急性出血性直腸潰瘍の6例中5例,宿便潰瘍の1例はヒータープローブにて,急性出血性直腸潰瘍の1例,動静脈奇形1例はエトキシスクレロール局注にて止血し,良好な治癒を得た.下部消化管出血では出血病巣により的確な治療の選択が必要であるため,緊急大腸内視鏡検査は必須の一次検査と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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