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篠山 喜昭, 川野 淳, 辻 晋吾, 永野 公一, 石上 佳孝, 増田 栄治, 林 暢彦, 辻井 正彦, 道田 知樹, 房本 英之, 鎌田 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
993-997_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
内視鏡検査時にみられる胃粘膜斑状発赤の病態については不明な点が多い.そこで今回われわれは,斑状発赤の見られた10名(発赤群)及び,内視鏡的に発赤の見られなかった非発赤群5名(コントロール群)の幽門部粘膜を対象に・胃粘膜myeloperoxidase(MPO)活性,及び,胃粘膜血行動態を検討した.その結果,発赤部粘膜MPO活性は,非発赤部のそれに比し有意に高値であり,また,これらの値はコントロール群のそれに比し有意に高値であった.また,発赤群10名中5名に対し,反射スペクトル法により発赤部と非発赤部の胃粘膜血液量および粘膜酸素飽和度を測定し比較検討した結果,発赤部の粘膜血液量は非発赤部に比し有意に高値であり粘膜酸素飽和度は有意に低値であった.以上の成績より斑状発赤部粘膜ではMPO活性の高いことから白血球浸潤の多いこと,及び,粘膜血行動態には欝血が生じていることが示され,この粘膜発赤は炎症性変化であると考えられた.
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一投与量・投与時間の検討一
岩井 淳浩, 小山 洋, 岩下 悦郎, 松田 浩二, 下屋 正則, 笹木 淳司, 徳永 徹二, 川口 淳, 永尾 重昭, 宮原 透, 丹羽 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
998-1007
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
大腸内視鏡検査法の進歩に相伴って近年,大腸微小病変(特に大腸微小癌)の発見率は増加傾向にある.しかし,そのような病変は小さく,隆起を伴わないので発見は臨床的に非常に難しい.このような病変の発見のためには,わずかな色調差・凹凸差を強調できるような手軽な補助手段が必要となってきた.われわれは,このためにスクリーニング検査と精密検査の間に位置する検査として,経口色素大腸内視鏡検査法を開発し,その簡便性・有用性について報告してきた.今回は,より有効な着色効果をあげるために,色素液の投与量・投与時間について検討を行い,色素投与量としては40mg,色素投与時間としては9時(前処置開始3時間目)に投与することにより,より有用な内視鏡像を得ることができた.
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相澤 研一, 川口 伸也, 米沢 隆之, 土井 みさこ, 水野 和佳子, 松本 司, 宮本 久夫, 伊藤 秀一, 西岡 新吾
1992 年 34 巻 5 号 p.
1008-1016_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
内視鏡的に食道にびらん・潰瘍が認められ,白苔を伴う逆流性食道炎のうち病変が急性期にあり,かつ程度の強い19例を対象とし,同時期に内視鏡検査を受けている1,349例を対照として特に消化性潰瘍との関係を中心に内視鏡的,臨床的に比較,検討した.頻度は60歳代に最も高く,主要症状は嘔気・嘔吐,腹痛,腹部膨満感の順に多かった.19例中6例は十二指腸潰瘍を合併していた.潰瘍は急性期で,球部の変形・狭窄を伴っていたのが特徴的であった.十二指腸潰瘍と逆流性食道炎の関連は有意であったが,胃潰瘍とは有意な関係は得られなかった.発症要因としては十二指腸潰瘍だけでなく,糖尿病を初めとする合併症の他に,飲酒の継続,または下部食道括約筋に影響を及ぼすとされる薬剤の内服,さらには胆汁逆流等のいくつかの要因が重なることにより逆流性食道炎が発症し,また重症度とも関連すると考えられた.
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仲紘 嗣, 山口 修史, 内沢 政英, 山野 秀文, 升田 和比古, 宮崎 有広, 今津 純夫, 三上 肇, 高平 敏一, 栗林 秀樹, 芝 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1017-1025
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
上部消化管内視鏡検査後の急性胃粘膜病変の原因について今まで幾つかの説が出されていたが,われわれは主な原因は内視鏡を介しての感染と推論している.しかし本症のすべてが解決したわけではないので,われわれの経験した臨床像の特徴とまれな症例を報告した.また本症の予防について述べた. 本症145例の特徴は(1)初めて検査を受けた患者(68%)に多く,(2)検査後4-7日の間(85%)に激しい腹痛(96%)および嘔吐(58%)をきたし,(3)再度の内視鏡検査にて胃前庭部の急性出血性胃炎または急性多発性前庭部潰瘍(93%)を認めた. 本症の発生には何らかの感染が関与していないかとの疑いを持ち,内視鏡検査一回毎に2%グルタールアルデヒド液による3分間の消毒を含む15分間の自動洗浄器洗浄法を行った結果,急性胃粘膜病変の発生は1例も見られなかった.
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重松 忠, 玉垣 俊幸, 山上 正仁, 倉田 博之, 大久保 詠子, 赤松 尚明, 加藤 一晴, 岡森 博史, 小野 紀弘
1992 年 34 巻 5 号 p.
1027-1031
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
下血を来す大腸疾患は多岐にわたり,その出血性状も異なるため,早期の的確な診断が治療上重要である.われわれは,約3年間の緊急大腸内視鏡検査145例の検討を行った. 年齢は8歳から92歳で平均年齢50.1歳,男性は70例,女性は75例.症例は炎症性疾患は53.8%であり,悪性腫瘍及び潰瘍性病変は14.5%であった.145例中135例(93.1%)の症例で病変確認が可能であり,S状結腸までの観察にても,114例78.6%の症例で病変を確認した.大量輸血例・止血例は12例認め,部位は直腸9例,s状結腸1例と下部大腸に多く,大量下血時の緊急Rectosigmoidscopyは極めて有用と考えられた.急性出血性直腸潰瘍の6例中5例,宿便潰瘍の1例はヒータープローブにて,急性出血性直腸潰瘍の1例,動静脈奇形1例はエトキシスクレロール局注にて止血し,良好な治癒を得た.下部消化管出血では出血病巣により的確な治療の選択が必要であるため,緊急大腸内視鏡検査は必須の一次検査と考えられた.
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―止血効果および潰瘍の治癒経過について―
成宮 徳親, 佐藤 博光, 常喜 真理, 岩崎 仁彦, 杉本 泉, 武内 力, 石山 哲也, 鎌倉 広俊, 渡辺 俊明, 中村 仁, 石戸 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1032-1038_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
出血性急性胃潰瘍に対するエトキシスクレロール・エタノール局注止血法(AS-E法)の止血治療効果および局注後の潰瘍の治癒経過についてエタノール局注法施行例を対照に検討した.AS-E法では露出血管の周囲3~4カ所にエトキシスクレロール(AS)を局注し,露出血管近傍にエタノールを局注した.エタノール局注法を施行した26例中,止血不能で緊急手術となったのが1例,再出血のための手術となったのが4例あったが,AS-E法を施行した28例には手術例はなく,全例に十分な止血効果が得られた.また局注後の潰瘍の拡大はほとんどみられなかった.AS-E法ではエタノール局注法とほぼ同量のエタノールに加えASが局注されていたが,局注後の潰瘍が治癒期になるまでの日数には両群間で差が認められず,AS-E法の場合にAS局注が潰瘍の治癒過程をほとんど遅延させないものと考えられた.以上より,本局注法は出血性急性胃潰瘍に対し有効な内視鏡的止血法であるものと考えられた.
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税所 篤郎, 田中 啓三, 松元 淳, 高崎 能久, 村永 知子, 有馬 暉勝, 堀之内 博人, 渋江 正, 草野 健
1992 年 34 巻 5 号 p.
1039-1046_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃鉗子生検によりGroupと診断された隆起を伴う48例55病変に対して内視鏡的胃粘膜切除術を施行し55病変中10病変(18%)に腺癌の診断を得た.内視鏡的胃粘膜切除術施行前の隆起部分の表面形態,表面色調について検討し,癌と異型上皮巣の内視鏡的特徴について以下の結論を得た.1.表面形態を平滑,小顆粒状,結節状,分割形成,中心陥凹の5 Typeに分類すると,平滑,小顆粒状のTypeには癌は認められなかった.2.表面色調を褪色調,同色調,赤色調の3 Typeに分類すると,褪色調のTypeには癌の頻度は低く,赤色調のTypeを示す異型上皮巣は認められなかった.3.異型上皮巣において,異型性の程度と表面形態との間に関連は認められなかった.4.異型上皮巣の癌化と思われる病変は47病変中1病変(2.1%)であった.
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―Adenomyomatosis併存例―
野田 昌夫, 児玉 正, 佐藤 達之, 加嶋 敬, 武田 誠, 岡本 裕之, 宇根 郁夫, 門脇 政治
1992 年 34 巻 5 号 p.
1049-1055_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は57歳,男性.心窩部痛を主訴に救急入院.腹部超音波検査では胆嚢内は高エコーと低エコーとが混在する胆泥様物質が充満し,造影CTでは胆嚢壁に一致して造影効果を認めた.ERCP施行の際,乳頭開口部より血液の流出を認め,同像では胆嚢内部への造影剤の移行は悪く不均一であった.また胆嚢壁の一部に陰影欠損様の所見を認めるも,血管造影では明らかな異常所見は認めなかった.以上より胆嚢炎に起因するHemobiliaを疑ったが腫瘍性病変の合併を否定し得ないため,胆摘術を施行した.組織学的には胆石及び胆嚢炎を伴うAdenomyomatosisで,体部に潰瘍形成を認め,同部よりの出血と考えられた.
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小出 章, 松本 好市, 北川 達士
1992 年 34 巻 5 号 p.
1056-1060_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は,心窩部痛,体重減少を主訴とした57歳男性.胃内視鏡検査にて多発性,不整形潰瘍を認め,粘膜生検からH.E染色及びCongo-Red染色にてアミロイド沈着を認めた.アミロイドーシスによる胃潰瘍と診断され,大腸および肺にもその沈着を認めた.骨髄には異常なく血液,尿の検査等から原発性と考えられた.胃潰瘍に対しては,H
2-blocker,セファランチンで治療されたが改善は認めなかった.患者は診断後約1年で死亡した.原発性全身性アミロイドーシスの診断は,近年胃粘膜生検にてしばしば診断される.内科的治療に抵抗する不整形の胃潰瘍の存在は,本症を念頭におき胃粘膜生検を行う必要がある.
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山本 均, 伊藤 真吾, 小長谷 敏浩, 桜井 浩二, 西尾 雄司, 森瀬 公友
1992 年 34 巻 5 号 p.
1061-1067
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Chlamydia trachomatisによる直腸炎の1例を報告した.症例は18歳の女性で,下腹部痛と粘血便を主訴に来院した.大腸内視鏡検査ではイクラ状の粘膜所見を呈し,生検組織はリンパ濾胞の増生を多数認めた.注腸造影では下部直腸にびまん性に穎粒状粘膜を認めた.直腸擦過診で,Chlamydia trachomatis抗原が陽性であり,クラミジア直腸炎と診断した.ミノサイクリンによる治療後,直腸のリンパ濾胞は著明に消退した.今後,クラミジア感染症は増加すると考えられ,感染性腸炎の鑑別診断のひとつとしてクラミジア直腸炎も考慮すべきである.
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矩 照幸, 河野 光志, 下條 宏光, 山崎 時雄, 居出 健司, 松本 啓一, 樋口 彰彦, 小山 茂樹, 中條 忍, 馬場 忠雄, 細田 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1068-1071_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は54歳の女性で,主訴は右側腹部痛である.腹部超音波検査,腹部CT,腹部MRIでMultiple concelltric ring signを認め,腸重積初期像と診断.整復のため施行した大腸内視鏡検査では,上行結腸から盲腸にかけて粘膜の発赤,浮腫が強く内腔の狭小化が認められた.さらに盲腸には,粘膜に穿入する多数の鞭虫が確認された.治療としてメベンダゾールの経口投与を行い駆虫できた.急性腹症で発症する鞭虫感染症例は少なく,本邦報告は自験例を含め11例を数えるのみである.
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千葉 俊美, 藤巻 英二, 折居 正之, 大沢 一嘉, 中野 修, 磯貝 圭輝, 斎藤 裕, 佐藤 邦夫, 佐藤 俊一, 狩野 敦
1992 年 34 巻 5 号 p.
1072-1079
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
患者は42歳,男性.主訴は下痢・右下腹部痛.注腸X線および大腸内視鏡検査にて回盲弁の著明な発赤,腫大と終末回腸部から盲腸,上行結腸の多発性びらんを認めた.組織学的にも細菌学的にも特異的な所見は得られなかったが,Yersiniaの血清抗体価が80倍と陽性を示したため,Yersinia腸炎と診断した.約2カ月後には回盲弁の腫大や多発性びらん等の所見は著明な改善を認めた.内視鏡的に経過を観察できたYersinia腸炎は非常に稀であり,本症例では回盲弁の著明な発赤,腫大が特徴的であったが,Campylobacter腸炎との鑑別は形態的には困難であると考えられた.
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斉藤 康晴, 中川 雅夫, 馬場 修, 住吉 健一, 北沢 貢, 浅野 元和, 神武 裕, 青木 茂, 坂本 力, 小山 茂樹, 藤山 佳秀 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1080-1086
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は76歳の女性で,腹部超音波にて膵体部に中心低エコーで被膜様構造をもつ腫瘤を認めた.内視鏡的膵管造影では主膵管は限局性に拡張し,その拡張部の内腔は不規則に凹凸を示した.血管造影では腫瘤周辺に新生血管を認めた.膵嚢胞性腫瘤の粘液性嚢胞腺癌の膵管拡張型または狭義の粘液産生性嚢胞性膵腫瘍と診断した.開腹手術にて組織学的に未分化癌であった.術後30日目に同部位に腫瘤が再発し,術後60日で死亡した.
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山田 裕人, 鈴木 安名, 吉田 美佳, 吉田 行範, 水野 正己, 姜 貞憲, 森 正光, 柳田 健司, 洞田 克巳, 前久保 博士, 関 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1087-1093_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
十二指腸憩室は大腸憩室に次いで頻度は高いが,その多くは無症状に経過し,憩室からの出血例は極めて稀である.本邦においては過去10年間で21例の出血例の報告をみるにすぎない.今回われわれは,十二指腸憩室びらんからの出血を内視鏡的に止血し得,その治癒過程を観察できた1例を経験した. 症例は59歳女性,下血とめまいを主訴に受診,上部消化管内視鏡検査で,十二指腸下行脚に出血を認め,トロンビンを散布し止血し得た.翌日の内視鏡検査で双頭の十二指腸憩室を,そしてその鞍部に乳頭開口部,またその口側10mmに出血性びらんを認めた.他に出血源が見られないことから,十二指腸憩室びらんからの出1血と診断した.びらんの成因としては食物残渣による憩室炎の存在と局所粘膜血流の低下が関与していると考えられた.
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信田 亜一郎, 佐藤 隆啓, 小井戸 一光, 森田 ゆかり, 長川 達哉, 及川 由美子, 栃原 正博, 渡辺 雅男, 夏井 清人, 宮川 ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1094-1098_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
内視鏡的超音波カラードプラ法(以下ECDUS)が施行可能な内視鏡装置を使用して食道静脈瘤に対し硬化療法(以下EIS)を行ない,併行してECDUSにてEISによる血流の変化を観察しその効果を確認できた症例を報告した. EIS前には,ECDUSにて食道静脈瘤内血流がカラー表示された.EIS施行2分後,再度観察したところ,静脈瘤内血流はカラー表示されなかった.さらにFFT分析にても血流は検出されなかった.一方,左胃静脈は術前と同様にカラー表示された.このことから,血管内注入された硬化剤によって術直後より静脈瘤内の高度の血流欝滞が生じていると考えられた. 本手法は,EISと併行してリアルタイムに静脈瘤内血流が観察可能であり,食道静脈瘤の血行動態の解析に有用と考えられた.
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細井 広子, 佐崎 なほ子, 床井 伸介, 遠藤 滋, 斉藤 雄介, 梶浦 謙, 山中 昭良, 藤木 和彦, 田村 裕子, 高清水 一善, ...
1992 年 34 巻 5 号 p.
1101-1103_1
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
内視鏡検査において,残渣・血液・泡を充分除去することが微小病変の発見の増加につながる.近年大腸内視鏡検査の前処置にポリエチレングリコールを主成分とした洗浄液が用いられるようになってからは,残渣に代わって多数の泡が問題になるようになった.われわれは,下部消化管用電子スコープ(FUJINON EVC-HM)に試作品洗浄液自動送水機(FUJINONウォータージェットポンプ)を併用することにより,多量の残渣・泡を迅速に洗浄することを試みた.この送水は,鉗子口との別の送水口(ウォータージェットロ)より行なわれ,そのため,処置を行ないながらの送水も可能であった.自動送水機は,洗浄のほか,色素散布にも応用でき,微小病変の発見にも極めて有用であった.
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三輪 剛
1992 年 34 巻 5 号 p.
1104
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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佐藤 茂秋
1992 年 34 巻 5 号 p.
1105-1106
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
The molecular events of carcinogenesis are under-stood to be the activation of oncogenes and/or inactivation or deletion of tumor suppresoor genes. In fact there are many genotoxic agents in our environment, which have a potential to induce such genetic changes and many of them are shown to induce cancers when given in large doses to experi-mental animals. However, most of these environmen-tal genotoxic carcinogens are too small in quantity to explain the development of common human cancers. On the other hand, human cancer is markedly influenced by the life style such as dietary habit or smoking. A large amount of alcoholic beverages for esophageal cancer, high salt or very hot food for gastric cancer, and high fat diet for colon cancer are known as enhaning factors. High calorie intake is also supposed to enhance carcinogenesis. Milk and green yellow vegetables are thought to inhibit gastric carcinogenesis. Such modifying factors of car-cinogenesis act on the step when genotoxic agents work on cells or genetically altered cells proliferate. Toyama Prefecture is characteristic in its high mortality rate of gastric cancer and this is supposed to relate to relatively high intake of foods favorable for and low intake of stuffs inhibitory to gastric carcinogenesis. For primary cancer prevention improvement of intake of cancermodifying factors is much more practical than to control the amounts of environmental carcinogens which are present in very tiny amounts.
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三輪 剛
1992 年 34 巻 5 号 p.
1107-1117
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
laserが発明されて十数年後の1970年中頃に,frexible optical (quartz)fiberが開発されて,消化器内視鏡の領域にレーザーが応用され始めた.当初は100Wの高出力Nd:YAG laserが消化管出血の止血法として,非接触照射された.この高出力非接触照射法は技術的に安全,確実に照射することが困難で,しかも導光ファイバー先端が凝固破損され易く,高出力レーザー発生装置と合わせて経済的な負担が大きかった.1980年代に入ると,内視鏡的止血術として局注止血法が簡便,安価で止血効果に優れ,第一に選択される止血法として評価された.従って,レーザー内視鏡治療は止血法としてより,腫瘍の局所療法として研究され,臨床応用されるようになった. 1984年に当科が共同開発したセラミック製のcontact probeによって,1W~30Wの低出力Nd:YAG laser照射が可能になった.技術的には凝固・蒸散・切開・組織内照射・局所温熱(Laserthermia)などが可能になった.その上,レーザー照射効率が向上した結果,従来の1/3以下の低価格のレーザー装置が開発され商品化された.低出力接触照射法の臨床応用による成果は,従来の高出力非接触照射法より10~20%程,治療成績を向上させたが,消化管早期癌の内視鏡治療法として,単独治療法では他の内視鏡治療法と同等に根治療法として限界がある.しかし,レーザー内視鏡治療はLaserthermiaが開発研究途上にある如く,未だ未完成である.今後,低出力接触照射法は各種治療法との有効な併用法の検討が必要である.今後,侵襲の少ないminimun invasive therapyとして,異なった波長の電磁波を応用したLaserthermiaや,マイクロ波による局所温熱療法などとの比較検討,および光線力学的療法(PDT)としてのExcimer dye laserによるPDTなどの研究と同等に評価され,検討されるであろう.
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―臨床面から―
小黒 八七郎
1992 年 34 巻 5 号 p.
1118-1120
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
A gastric adenoma had been called in many terms. In 1977, WHO settled "Histological Typing of Gastric and Oesophageal Tumours". Almost all borderline lesions were included into the WHO's gastric adenoma. We have called clinically a lesion, from which Group III result was obtained by biopsy as "Group III lesion". According to our pathological study, when an adenomatous tissue composed from a papillary tissue, co-existing ratio of carcinoma was so high, as 60.0%. An Group III lesion has arrived at 722 lesions in our hospital, until 1990. The malignant ratio after resection in these Group III lesions was the highest, 17% in polypoid type and increased with the size of the lesion, as 33% in more than 2cm, and had closed relationship to the color of the surface of the lesion. After resection of these Group III lesions, focal carcinoma in adenoma was detected 9%. False negative ratio of initial biopsy for these Group III lesions was 9% in focal carcinoma in adenoma, and extremely high 22% in the group with papillary tis-sue. Group III lesions resected after more than twice biopsy were 56 lesions with surgical resection and 19 lesions with endoscopic resection. Detection rate of cancer was increased with follow up period. In 26 Group III lesions followed more than one year and confirmed their histology after resection, $ lesions of carcinoma. Out of them, six enlarged lesions during follow up study were all carcinoma. A carcinoma was detected in all three lesions, in which their sur-faces changed from granular to nodular. Even if high risk findings are not recognized, there may be co-existence of carcinoma. Therefore, endoscopic resec tion of polypectomy or strip biopsy for an Group III lesion is recommended, in the meaning of histological examination of whole the lesion.
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―病理面から
渡辺 英伸
1992 年 34 巻 5 号 p.
1121-1123
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
There are some different opinions on the natural history of gastric adenoma followed 3 years or more ; one is no remarkable change, and the other is that the tumor increases in size at 31% and shows malignant transformation at 15%. In these reports, histological criteria seem to be different. Therefore, I myself examined the initial biopsy-sections of 51 lesions (48 patients) originally diagnosed as gastric adenoma which was or has been followed up 3 years and more. Results ; The initial biopsy-section consisted of 9 differentiated-type adenocarcinomas with low-grade atypia, and 42 tubular adenomas. Thirty-five tumors including 2 carcinomas did not change in size and shape, but 16 tumors including 7 carcinomas in-creased in size during the follow-up period. Four of the 7 carcinomas changed into a high-grade carcinoma at the surgically resected time and showed a high growth-rate (2-6 times the initial size) during 3-6 years, and the remaining 3 carcinomas was still low-grade in atypia but increased 1.5 times the initial size during 3-5 years. Five of the 9 adenomas in the size-increased group changed into a low-grade (predominat) carcinoma with (2 tumors) or without adenoma. They grew up 1.5-2.0 times the initial size during 3-9 years. Four size-increased adenomas grew up to 1.3-1.7 times the initial size during 4-9 years. The low-grade (predominat) carcinomas and adenomas revealed a lower growth-rate than the high-grade (predominat) carcinomas. Conclusion ; It is concluded that the gastric tumor with well-developed tubules should histologically be classified into adenoma, low-grade carcinoma and high-grade carcinoma and that each tumor shows a different growth-rate and biological behavior, i. e., gastric adenoma is generally very slow in growth, but its growth greatly depends on the development of carcinoma as well as on histological grade of its malignancy.
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1992 年 34 巻 5 号 p.
1124-1217
発行日: 1992/05/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー