抄録
Chlamydia trachomatisによる直腸炎の1例を報告した.症例は18歳の女性で,下腹部痛と粘血便を主訴に来院した.大腸内視鏡検査ではイクラ状の粘膜所見を呈し,生検組織はリンパ濾胞の増生を多数認めた.注腸造影では下部直腸にびまん性に穎粒状粘膜を認めた.直腸擦過診で,Chlamydia trachomatis抗原が陽性であり,クラミジア直腸炎と診断した.ミノサイクリンによる治療後,直腸のリンパ濾胞は著明に消退した.今後,クラミジア感染症は増加すると考えられ,感染性腸炎の鑑別診断のひとつとしてクラミジア直腸炎も考慮すべきである.