日本消化器内視鏡学会雑誌
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再発を来した虚血性大腸炎の1例
上岡 卓也北内 信太郎阪口 昭西 彰平黒田 留未伊藤 秀一西岡 新吾
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1993 年 35 巻 12 号 p. 2939-2945

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抄録
 再発を来した虚血性大腸炎の1例を経験したので報告する.症例は72歳,女性,3回の腹部手術と出血性腸炎の既往あり.平成2年10月,一過性型虚血性大腸炎発症,保存的治療で治癒したが,1年5カ月後に再発を来した.下腸間膜動脈造影で左結腸動脈の狭細化が認められ,また患者は生来便秘傾向にあり,乏血準備状態であった上に腸管内圧の上昇が加わって発症したと考えられる.本邦における再発性虚血性大腸炎の報告は少なく,病因については不明な点が多い.本例はその発生機序を推測する上で興味ある症例と思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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