日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
N-butyl-2-cyanoacrylate (HISTOACRYL)を用いて止血しえた十二指腸静脈瘤破裂の1例
畠山 眞金川 博史後藤 賢一郎香山 明一水尾 仁志田辺 利男美馬 聰明
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 36 巻 1 号 p. 73-78_1

詳細
抄録

症例は55歳女性.吐下血を主訴に受診.上部消化管内視鏡検査で十二指腸第二部にF3Cb静脈瘤の集簇を認め,1カ所にフィブリン栓と同部位からの出血を確認し,肝硬変に伴う十二指腸静脈瘤破裂と診断した.肝性昏睡IV度でショック状態のためHISTOACRYLによる緊急内視鏡的硬化療法を施行し止血に成功し,その後再出血もなく静脈瘤の著明な縮小を確認した.十二指腸静脈瘤破裂出血時の治療において示唆に富む症例と考え報告した.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top