日本消化器内視鏡学会雑誌
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細径超音波プローブによる十二指腸潰瘍描出法の検討
―ゼリー注入法とバルーン法の比較―
山田 至人坂口 哲章木田 光広野登 誠石井 圭太田辺 聡小泉 和三郎大井田 正人西元寺 克禮
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1994 年 36 巻 12 号 p. 2399-2405_1

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抄録

細径超音波プローブによる十二指腸潰瘍の観察のために考案した,ゼリー注入法とバルーン法の描出能を比較検討した.1993年10月から1994年3月迄の6カ月間に,両者を同時におこなった十二指腸潰瘍は50例67病変であった.単発潰瘍における前壁潰瘍の描出率は,両方法とも90%であった.多発潰瘍における前壁潰瘍の描出率は,両法ともに83%であったが,後壁潰瘍の描出率は,ゼリー注入法が42%と不良であったのに比べ,バルーン法は79%と比較的良好であった.以上より,両方法の選択にあたっては,単発潰瘍であれば被検者の苦痛の少ないゼリー注入法が,多発潰瘍であれば描出が確実なバルーン法を選択するのが良いと思われた.また,十二指腸においても粘膜筋板が描出し得る可能性が示唆された.

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