1994 年 36 巻 12 号 p. 2474-2481
38歳の女性.1989年6月,食道静脈瘤の治療目的で当科に入院.腹腔鏡およびCT上肝表面になだらかな起伏を認めたが肝萎縮や結節形成は認めなかった.肝の組織学的所見などからIPHと診断した.1992年10月,食道静脈瘤の再発で再入院.腹腔鏡所見で前回認めなかった肝右葉の萎縮および結節形成などの変化と,CTで肝右葉の著明な萎縮を証明し,明らかに病変の進展を認めた.このように腹腔鏡およびCTでIPHの進展の様相を確認しえた例は極めて少ないので報告した.