日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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微細病変診断を目的とした画像処理法の開発
橋本 洋斎藤 恵一笹田 晋司秋本 真寿美新見 晶子北村 容子大渕 美帆子安達 由美子石黒 久貴栗原 毅石川 雅枝足立 ヒトミ三輪 洋子山下 由紀子山内 大三赤上 晃前田 淳重本 六男内山 明彦山下 克子横山 泉竹本 忠良
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1995 年 37 巻 9 号 p. 1850-1857

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抄録

近年診断される胃癌は典型的な胃癌型をとる症例は減少し,微細な褪色や発赤を生検し診断される症例が増加している.そこで微細な病変の色調差を強調し発見を容易にするための画像処理を試みた.今回は褪色,発赤と認識される病変と周辺の正常胃粘膜とのR成分の輝度の差に着目し,この輝度の差を強調するための画像処理ソフトウエアを作製した.まず画面全体の輝度平均値をもとめこれに各画素のR成分の割合をかけたR成分のみの画像に変換し,この画像に輝度ダイナミックレンジの拡大,2回の非線形輝度変換により輝度の差を強調した.これを微細な病変がはじめて認識される画像に応用し評価したところ各病変が明瞭となり特に経過観察例において見逃し時の画像に於て病変が明瞭となり内視鏡医の注意をひくことで診断が容易になった.内視鏡画像の特性をつかみ独自のアルゴリズムを開発することは画像処理の臨床応用へ重要と思われる.

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